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税理士が一般企業へ転職するメリットは?求人事例や年収事情を徹底解説!

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2025年8月27日 ジャスネットキャリア編集部

税理士資格を持つ皆さんの中には、税理士事務所での経験を活かして一般企業での新たなキャリアを検討されている方も多いのではないでしょうか。近年、企業のコンプライアンス強化や税務の複雑化に伴い、税理士資格を持つ人材への需要が一般企業においても着実に高まっています。
本記事では、税理士が一般企業へ転職する際のメリットやデメリット、具体的な仕事内容、気になる年収事情、そして転職を成功させるための具体的なステップまで、包括的に解説いたします。税理士事務所での経験を新たなフィールドで活かしたいとお考えの方にとって、きっと有益な情報をお届けできるでしょう。

目次

■税理士の一般企業への転職市場の現状

現在の転職市場において、税理士資格を持つ人材に対する企業からの注目度は非常に高い状況にあります。 特に、上場企業や成長著しい中堅企業では、内部統制の強化や税務戦略の立案において、専門性の高い税理士の知識と経験が不可欠となっているためです。

企業側が求める税理士像も変化してきており、単純に税務申告業務をこなすだけでなく、経営戦略に関わる税務プランニングや、M&Aに伴う税務デューデリジェンス、国際税務への対応など、より高度で戦略的な業務を担える人材が求められています。このような背景から、 税理士事務所での実務経験を積んだ方にとって、一般企業への転職は非常に魅力的な選択肢となっているのです。

■税理士が一般企業に転職するメリットとデメリット

(1)一般企業での税理士の役割

一般企業において税理士が担う役割は、税理士事務所での業務とは大きく異なる特徴を持っています。 企業内税理士として最も重要な役割の一つは、経営陣に対する税務面でのアドバイザーとしての機能です。 経営判断が税務に与える影響を事前に検討し、最適な選択肢を提示することで、企業の利益最大化に直接貢献することができます。

また、企業の成長段階に応じて必要となる税務戦略の立案や、新規事業展開における税務リスクの評価なども重要な業務となります。特に、IPOを目指す企業やM&Aを検討している企業では、税理士の専門知識が経営戦略の成否を左右することもあり、非常にやりがいの大きい仕事と言えるでしょう。

さらに、社内の経理部門や財務部門との連携を通じて、税務業務の効率化を推進することも重要な役割です。税理士事務所で培った実務経験を活かして、企業独自の税務プロセスを構築し、組織全体の税務品質向上に貢献することができます。

(2)税理士事務所との違い

①クライアントとの関係性

また、クライアントとの関係性も大きく変わります。 税理士事務所では複数のクライアントを抱えて幅広い業種の税務に携わりますが、一般企業では自社の業務に特化して、より深く専門的な知識を身につけることができます。 この結果、特定の業界における税務の専門家として成長できる可能性があります。

②給与体系

給与体系についても違いがあり、税理士事務所では成果報酬的な要素が強い場合が多いのに対し、一般企業では基本給与が安定しており、賞与制度も整備されていることが一般的です。福利厚生面でも、大手企業であれば充実した制度を利用できることが多く、長期的なキャリア形成を考える上で魅力的な環境と言えるでしょう。

■一般企業での税理士の仕事内容

(1)経理・財務部門での業務

経理・財務部門において税理士が担う業務は多岐にわたります。日常的な税務処理から始まり、月次決算での税務調整、四半期決算や年次決算における税効果会計の適用など、企業の財務報告において欠かせない役割を果たします。

特に重要なのは、 会計処理と税務処理の差異を正確に把握し、適切な税務調整を行うことです。 企業の会計方針や業務の特性を深く理解した上で、税務上最も有利な処理方法を検討し、実行に移すことで企業の税負担軽減に大きく貢献することができます。

また、税務調査への対応も重要な業務の一つです。税務署からの問い合わせや調査に対して、適切な資料準備と説明を行うことで、企業のリスクを最小限に抑えることができます。税理士事務所での経験があれば、この分野では特に高い専門性を発揮できるでしょう。

(2)経営企画部門での業務

経営企画部門では、税理士の専門知識がより戦略的な場面で活用されます。新規事業の立ち上げ時における税務スキームの検討や、事業再編に伴う税務上の課題解決など、経営の根幹に関わる重要な判断において税務面からのサポートを提供します。

(3)内部監査・コンプライアンス部門での業務

内部監査・コンプライアンス部門において、税理士は企業の税務リスク管理の中核を担います。税務に関する内部統制の整備を通じて、企業の税務コンプライアンス体制を強化することが主要な役割となります。

具体的には、税務処理に関する業務プロセスの文書化や、税務リスクの洗い出しと評価、改善策の立案と実行など、組織全体の税務品質向上に向けた取り組みを主導します。加えて、税法の改正や新たな税務論点に対する社内や子会社等への情報発信や教育も大切な業務です。

(4)コンサルティング業務

一般企業内でのコンサルティング業務では、外部コンサルタントとは異なる立場から、より実践的で継続的な支援を提供することができます。社内の各部門からの税務相談に対応し、実務レベルでの具体的な解決策を提示することが主要な役割となります。

例えば、営業部門からの契約条件に関する税務相談や、人事部門からの給与・賞与制度の税務上の取り扱いに関する相談など、日常業務に密着した幅広い相談に対応する必要があります。これらの相談に的確に答えることで、各部門の業務効率化にも貢献することができます。

また、他社との取引や契約において生じる税務問題についても、法務部門と連携して最適な解決策を検討することがあります。このような業務では、税務の専門知識に加えて、企業の事業内容やビジネスモデルに対する深い理解が求められるため、非常にやりがいのある仕事と言えるでしょう。

■一般企業での税理士の年収事情

(1)一般企業の年収と会計事務所の年収比較

一般企業で働く税理士の年収は、企業の規模や業界、担当する業務内容によって大きく異なりますが、 全体的な傾向として税理士事務所勤務時代よりも安定した収入を得られる場合が多いようです。

中小企業の場合、年収400万円から600万円程度が一般的な水準となっていますが、これに加えて安定した賞与や各種手当が支給されることが多く、年収の変動リスクが少ないという特徴があります。税理士事務所では繁忙期の残業代に収入を依存する部分もありますが、 一般企業では基本給がしっかりと設定されているため、より予測可能な収入を得ることができます。

大手企業や上場企業の場合は、年収600万円から1000万円以上の水準も十分に期待できます。特に、経営幹部候補として採用された場合や、専門性を活かしたポジションに就いた場合は、税理士事務所での収入を大幅に上回るケースも少なくありません。

(2)年収アップの可能性

一般企業における税理士のキャリアパスは非常に多様で、年収アップの機会も豊富にあります。まず、管理職への昇進によって大幅な年収アップが期待できます。経理部長や財務部長、さらには取締役といった経営幹部のポジションまで目指すことができるのは、一般企業ならではの魅力です。

また、業務範囲の拡大によっても収入向上の機会があります。税務業務に加えて財務企画や経営企画、M&A業務などを担当することで、より高い付加価値を提供できる人材として評価され、それに応じた処遇を受けることができます。

企業の成長に伴って責任とやりがいのある業務を任されるようになり、それに応じて年収も上昇していくケースが多く見られます。特に、成長企業やベンチャー企業では、早期からの参画により将来的に大きな年収アップの可能性もあります。

■税理士が一般企業に転職する際のステップ

(1)転職活動の準備

一般企業への転職を成功させるためには、まず自分自身のスキルと経験を客観的に整理することから始めましょう。 税理士事務所での経験の中で、どのような業務に携わり、どのような成果を上げてきたかを具体的に棚卸しすることが重要です。

特に、担当していたクライアントの業種や規模、対応した税務業務の内容、解決した課題などを詳細にまとめることで、応募企業との適合性をアピールする材料を準備できます。また、税理士資格に加えて、簿記検定やその他の資格、ITスキルなども整理しておくことが有効です。

企業研究も転職成功の重要な要素です。応募を検討している企業の事業内容、財務状況、組織体制、求める人材像などを徹底的に調査し、自分の経験やスキルがどのように貢献できるかを明確にしておく必要があります。

履歴書や職務経歴書の作成においては、税理士事務所での経験を一般企業での業務にどう活かせるかという観点で記載することが重要です。単純な業務経歴の羅列ではなく、企業が求める人材像に合わせて、関連する経験や成果を強調して表現するよう心がけましょう。

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経理職の自己PR例文集|転職活動で求められるアピールポイントを紹介

(2)面接対策とアピールポイント

面接においては、税理士としての専門性をアピールしつつ、一般企業で求められる幅広い視点を持っていることを示すことが重要です。 税務の専門知識は当然として、それをビジネスの成果にどう結びつけるかという視点で話ができることが評価のポイントとなります。

①問題解決能力

具体的なアピールポイントとしては、まず問題解決能力が挙げられます。税理士事務所での経験では、様々なクライアントの多様な課題に対応してきた経験があるはずです。これらの経験を通じて身につけた課題の本質を見抜く力や、複数の選択肢から最適解を導く力は、一般企業でも高く評価されます。

②コミュニケーション能力

コミュニケーション能力も重要なアピールポイントです。税理士事務所では、クライアントに対して複雑な税務事項を分かりやすく説明する機会が多くあります。この経験を活かして、社内の様々な部署の人たちと円滑にコミュニケーションを取り、専門知識を共有できることを具体例を交えて説明しましょう。

③一般企業への転職理由

面接では、税理士事務所から一般企業への転職を希望する理由についても明確に説明できるよう準備しておきましょう。単に労働条件の改善だけでなく、企業の成長に貢献したい、より深く事業に関わりたいといった前向きな動機を伝えることが重要です。

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【元面接官が教える】経理転職の面接、こんなステレオタイプの回答はダメ!

■一般企業における税理士求人事例

以下は、経理・会計専門の転職エージェント「ジャスネットコミュニケーションズ」掲載の一般企業における税理士資格保持者の求人事例です。

グロース上場/近年加速化するIoTビジネスで着実に成長を遂げている企業

①仕事内容
  • 決算業務(月次決算/年次決算)
  • 日常経理業務
  • 開示業務(有価証券報告書作成等)
  • 監査法人対応
  • 部下マネジメント など
②応募条件

【必須】

  • 上場企業 又は 上場準備企業の経理業務のご経験
  • 管理職又はプロジェクト遂行リーダ-等のマネジメントのご経験

【歓迎】

  • 公認会計士資格保有者
  • 税理士資格保有者
③想定年収 700万円 〜

リフォーム専門事業を行う企業で経理マネージャーの募集

①仕事内容
  • 開示体制およびJ-SOXの体制構築
  • 開示業務、年度決算の締め業務
②応募条件

【必須条件】※下記いずれかの経験をお持ちの方

  • 上場企業または上場準備企業における開示のご経験(決算短信、有価証券報告書の作成)
  • 開示の知識があり開示を経験したい方 (ビッグ4系のファームが支援していますので学んでいかれることも可能です)
  • 年度決算の締め業務のご経験(各種引当金、税効果の処理等)

【歓迎条件】※下記いずれかの経験、資格をお持ちの方

  • 公認会計士資格(監査のみのご経験の方も歓迎します)
  • 税理士資格
  • 税務申告書作成のご経験
③想定年収 700万円 〜

国際税務戦略立案、海外税務コンプライアンス推進 ※東証プライム市場上場

①仕事内容
  • 海外進出、撤退に関するタックスプランニング
  • 海外子会社の税務リスクマネジメント
  • 海外税務申告のマネジメント
  • 税務調査対応(国内、海外)
  • 国際税務に関する教育コンテンツの作成および関係部門への教育

※海外出張も月1回程度あり(アジア、東南アジア、米国、ヨーロッパ)

②応募条件

■必須要件:

  • 事業会社での国際税務経験がある方
  • TOEIC600以上(相当)を有する方

■歓迎要件:

  • 税理士資格保有者
  • 税理士、会計士、USCPAの有資格者
③想定年収 500万円 〜 1000万円

■一般企業における税理士の転職成功事例

事例1:製造業への転職を実現したAさん(30代前半)

Aさんは税理士事務所で5年間の実務経験を積んだ後、従業員300名規模の製造業企業の経理部に転職しました。税理士事務所時代は中小企業を中心とした幅広いクライアントを担当していましたが、製造業の経験はありませんでした。
転職のきっかけは、製造業特有の税務処理に興味を持ったことと、より安定した労働環境を求めたことでした。面接では、税理士事務所での多様なクライアント対応経験を活かして、社内の様々な部署と連携して業務を進められることをアピールしました。
転職後は、原価計算に関わる税務調整や設備投資の税務処理、消費税の課税区分の検討など、製造業ならではの業務に携わるようになりました。最初は業界特有の知識不足を感じましたが、税理士事務所で培った学習能力と問題解決スキルを活かして、短期間で必要な知識を身につけることができました。

事例2:IT企業で税務マネージャーとして活躍するBさん(40代前半)

Bさんは税理士資格取得後、税理士事務所で10年以上の経験を積み、その後急成長中のIT企業に税務マネージャーとして転職しました。税理士事務所では所長候補として位置づけられていましたが、より新しい分野での挑戦を求めて転職を決意しました。
IT企業への転職では、新しいビジネスモデルに対する税務上の論点や、グローバル展開に伴う国際税務への対応が主要な業務となりました。特に、SaaS事業の収益認識に関わる税務処理や、海外顧客からの収益に対する消費税の取り扱いなど、従来の経験では対応したことのない分野での専門性が求められました。
転職当初は業界の特殊性に戸惑うこともありましたが、税理士事務所で培った幅広い知識と経験を基盤として、短期間で必要なスキルを身につけることができました。また、経営陣との距離が近く、税務戦略が直接事業戦略に影響を与える環境で、やりがいを感じながら業務に取り組むことができました。

■まとめ

税理士が一般企業への転職を検討する際には、多くのメリットと可能性があることがお分かりいただけたでしょう。安定した労働環境と処遇、専門性を活かした多様な業務、そして将来的なキャリアアップの機会など、税理士事務所では得られない魅力が一般企業には数多く存在します。

一般企業での税理士需要は今後も継続的に拡大していくと予想されます。企業のグローバル化やデジタル化、コンプライアンス強化の流れの中で、税理士の専門性はますます重要になってくるでしょう。この機会を活かして、新たなキャリアステージでの活躍を目指してみてはいかがでしょうか。

執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。

編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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