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税理士になるのは難しい?受験資格と難易度、勉強時間はどのくらい?

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「AIによって経理はなくなる」と言われて数年が経ちます。実際には経理の仕事はなくなっていませんが、この間にかつては紙で行われていた経費精算がシステム化され、押印の作業もなくなり、記帳業務もデータの活用により省力化が進められています。もしかしたら、本当にいま行われている作業に人員は必要なくなるかもしれません。

そんな中で、いま人手不足と言われているのが、税理士や公認会計士など会計プロフェッションです。その中でも税理士は、難関資格であるものの、5科目の試験を1科目ずつ受験することも可能であり、働きながらの両立も可能です。ここでは、この税理士資格について、具体的にどのように取得したらよいのかを見ていきましょう。

1.税理士になるには、どうしたらいい?

(1)受験資格などはあるの?

税理士になるためには、一般的に税理士試験に合格しなければなりません。

しかし、税理士試験は誰でも受験できるわけではなく、大きく分けて「学識」「資格」「職歴」「認定」の4つの要件のいずれかに該当する人のみが受験資格を有します。このうち、多くの受験生が受験資格とするのが「学識」です。

税理士試験では、法律学と経済学に関する単位により受験資格を認定しているのですが、これらの単位が、大卒であれば1単位以上あれば受験資格とされます。取得した単位については、出身大学が発行する成績証明書で確認できますが、理系学部出身者など、これらの単位をまったく取得していなかった人もいます。その場合には、放送大学など、1単位の単位取得が可能な大学で単位を取得するとよいでしょう。

また、大卒でない場合には、日商簿記検定の1級や全経簿記の上級の資格を取得すれば、「資格」の分野での受験資格となります。しかし、これらの資格は、それ自体が税理士試験に匹敵するような難しい試験ですから、かなりハードルが高いと言えます。

そこで、着目したいのが「職歴」です。経理業務に2年以上従事する人は、会社から職歴証明書を発行してもらえば受験資格を有することとなるのです。ただし、この場合には、単なる入力作業ではなく、決算業務に携わるなど、会計に関する業務を行っていなければなりません。
このように、一見厳しい受験資格に見えますが、大学の単位がなかったとしてもさまざまな方法があるのです。

(2)試験は何科目とればいいの?

税理士試験は会計科目と税法科目に分かれており、それぞれ下記の科目があります。

  • 会計科目:簿記論、財務諸表論
  • 税法科目:所得税法、法人税法、相続税法、消費税法、酒税法、固定資産税、住民税、事業税、国税徴収法
 

このうち、会計科目2科目と税法科目3科目の計5科目に達した時点で税理士試験の合格者となります。

税法科目についての選択には次のルールがあります。

①選択必修科目である所得税法と法人税法は、必ずどちらかに合格しなければならない
②消費税法と酒税法、事業税と住民税は、それぞれいずれかしか選択できない

なお、税理士試験には科目免除制度があり、会計や税法に関する大学院での修士論文が認定されれば、それぞれ会計の論文であれば会計科目1科目、税法の論文であれば税法科目2科目を免除科目として申請することができます。

(2)登録条件としての「実務経験」

ここで注意しなければならないのが、「税理士試験の合格者=税理士」ではないということです。税理士になるには、資格要件と実務経験の2つの要件を満たしたうえで、日本税理士会連合会が備える税理士名簿に登録される必要があります。

このうち、実務経験は、「会計に関する事務(貸借対照表勘定及び損益計算書を設けて経理する事務)などに従事した期間が通算して2年以上あること」とされています。

これは、会計事務所勤務はもちろんのこと、一般経理職でも該当します。ただし、前述の受験資格同様、決算業務に携わるなど会計や税務に関する業務に携わっていなければなりません。なお、いずれの場合も勤務先から職務経歴書や源泉徴収票などの証明書類を取得する必要があります。

2.難易度、かかる時間は?

(1)たいていは何年くらいかかって受かるもの?

税理士試験は、1科目ずつの受験が可能であり、一度合格した科目は生涯にわたって科目合格が有効です。そのため、自分のペースに合わせて受験することが可能ですが、それぞれの科目自体の合格率が概ね10%前後と難易度の高い試験であるため、受験専念の受験生でも1年に3科目が限界と言われています。

多くの受験生が2科目程度から学習を開始するため、合格までには早い人で3~5年程度、平均で10年もかかると言われています。ただ、これは、それだけ働きながら試験にチャレンジしている人が多い証拠とも言えるのです。受験資格や登録要件に実務経験があることもあり、働きながら試験合格を目指す人が多いのも税理士試験の特徴なのです。

(2)最短で受かるには?

それでは、最短で合格するにはどうしたらよいのでしょうか。

税理士試験は、膨大な分量の法律や会計理論の暗記が必要であることから、若年層に有利な試験であると言われています。特に、3年程度で合格する人は受験に専念する人が多いことは否めません。

それでは、時間に制約がある社会人が短期間で合格するにはどうしたらよいのでしょうか。資格予備校での講師経験もある筆者の経験から、次の3つのことが最短合格への近道であると考えます。

①実績のある専門学校を利用し、受験のノウハウを得る
税理士試験は、膨大な量の問題を2時間という制約で解く必要があるため、すべての問題にまんべんなく回答を出すことはできません。そのため、効率の良い点数の取り方のノウハウを押さえる必要があるのです。こうしたノウハウの取得は独学では難しいため、短期間での合格を目指すならば、専門学校を利用するのは必須と言えます。

②試験科目の選択は広げすぎず、1年2科目以内に絞る
税理士試験の各科目は、1科目だけでも膨大な試験範囲であるため、短期間での合格を目指し科目を広げすぎると、どっちつかずとなってしまい、却って年数がかかってしまいます。仕事の持った社会人が集中して学習できるのは2科目まで、そう押さえておきましょう。

③仕事と学習時間のメリハリをつける
税理士試験は筆記試験であり、特に理論問題は解答用紙に文章を書かなければならない問題であるため、その対策には普段の学習においても毎日数時間程度のまとまった時間が必要です。

そのため、1日のスケジュールを立て、勉強時間を確保することが重要です。会社の繁忙期などは簡単な学習に留め、閑散期に集中して学習するなど、仕事とのバランスも考え、メリハリをつけた学習が効果的であると言えます。

(3)まとめ

税理士試験はこのようにハードな勉強が必要な難関試験ですが、それは国家試験であるため、仕方がない部分もあります。しかし、それだけ多くの人が長い年月をかけてでも取得を目指すだけの価値のある資格とも言えます。

仮に5科目合格に達しなかったとしても税理士試験の科目合格があるだけで、経理業界においては転職の際に評価されるだけでなく、経理内部でも税務担当などの重要ポジションに就ける可能性もあるからです。

また、国際化社会においては、今後もより一層税務に関する問題は重要性を増すため、企業内部において、そうしたスペシャリストとして活躍する未来もあるでしょう。資格取得だけでなくさまざまな可能性が税理士試験そのものにあるのです。

執筆者プロフィール

小島 孝子(こじま たかこ)
税理士

神奈川県出身。税理士。
早稲田大学在学中から地元会計事務所に勤務。その後、都内税理士法人、大手税理士受験対策校講師、大手企業経理部に勤務したのち2010年に小島孝子税理士事務所を設立。幅広い実務経験と、講師経験から実務家向けセミナー講師多数担当。「実務」と「教えるプロ」の両面に基づいたわかりやすい解説に定評がある。実務においては、街歩き、旅行好きの趣味を生かし、日本全国さまざまな地域にクライアントを持つ、自称、『旅する税理士』。

著書

3年後に必ず差が出る20代から知っておきたい経理の教科書(翔泳社)2014年
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簿記試験合格者のためのはじめての経理実務(税務経理協会)2016年
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