「事務職の経験はあるけれど、このままでは将来が不安…、できれば今からでも手に職をつけたい」と経理や会計の仕事に興味をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
ここでは未経験からでも可能な、会計事務所のパート勤務の探し方をお伝えいたします。
経験を積むことでステップアップできるのが経理の仕事の魅力です。ぜひ参考になさってください。
■会計事務所でのパートの仕事内容とは?
(1)簿記は必要か?未経験でも大丈夫?
会計事務所の場合、パート勤務といえども日商簿記の資格は持っていることが前提になると思います。
最低でも日商簿記3級は必須です。できれば日商簿記2級を持っていることで、未経験でも紹介される求人はさらに増えるでしょう。
(2)未経験で入社した場合の仕事内容は?
最初の業務は会計ソフトへの伝票の入力作業がメインになります。この入力作業に簿記の知識が必要となるため、特に未経験の場合は日商簿記の資格の有無を問われることになるのです。
基本的な簿記の知識があれば、初めて使用する会計ソフトだったとしても、1~2か月もすれば作業自体は問題なく行えるようになるでしょう。
(3)仕事はきついのか?未経験は、ついていけない?
会計事務所の勤務で大変だと言われているのは、やはりクライアント先への訪問などの顧客対応や、担当社数が増えることによる業務の負担増などではないでしょうか。
事務所にもよりますが、パート勤務での入力作業の場合、基本的には契約内での勤務を行うことが可能だと思います。
■会計事務所の時給は?
(1)経験者と未経験で、時給は違うのか?
この場合の経験者とは、会計事務所側からすると「申告書まで作成した経験がある人」のことであり、未経験者と比べると時給は500円程度違ってくると思います。
しかし、最初の時給は低かったとしても、将来的に役立つスキルが身につくという側面もありますし、仕事を覚えていけば時給アップする可能性もあります。
(2)相場はいくらくらいか?
一般的にですが、未経験者の時給が1100~1300円であるのに対し、経験者の時給は1500~2000円となります。
■会計事務所を選ぶポイント
(1)事務所の傾向、所長の人柄
未経験者の場合は、ある程度規模が大きく(スタッフが10人以上)、各自の役割がはっきりしている事務所の方が、慣れるまでのサポート体制もしっかりしていて働きやすいと思います。
また入力作業をするスタッフと顧客対応などのスタッフがきちんと分けられているなど、事務所内で製販分離しているところを選んだ方がよいでしょう。
所長の人柄に関しては、そこまで気にする必要はないかと思いますが、その人の下で働きたいと思うか、などの相性の部分は確認した方がよいと思います。
特に小さな事務所であればあるほど、職場の雰囲気に所長のカラーが強く出ていると思いますので、無理なく働くことができそうか、自分との相性を確認することはとても大切です。
また業務にデジタル化などを積極的に取り入れているかどうかでも、働き方に違いが出てきますので確認しましょう。
(2)働く環境について(リモートワーク可か)
最初からリモートワークをすることは、未経験者の場合は難しいと思います。
基本的には自宅から無理なく通える範囲であるかを確認してから応募しましょう。
またマンション内のオフィスの場合は掃除やゴミ出しなどの雑用も業務に含まれる場合も多いため、面接の際に確認しておくといいかもしれません。
(3)服装について
女性の場合はオフィスカジュアルであれば、ほぼ服装は自由な会計事務所がほとんどです。男性の場合は基本的にはスーツのところが多いでしょう。
■会計事務所の求人の探し方
求人サイトやハローワークなどにも会計事務所の求人は掲載されていますが、エージェントを通さない場合ですと、条件などの交渉も含めて未経験者は難航する可能性があります。
できればエージェントに相談していただいたほうが、安心して検討できると思います。
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■面接対策
(1)採用に有利な条件は?
最初に述べた通り、日商簿記2級は未経験の場合は取得しておいて欲しい資格です。また事務経験あり、20代~30代前半の方などは有利な条件になります。
(2)筆記試験はある?面接の服装は?
採用の前に簡単な筆記テストやSPIを行う事務所は、全体の5%くらいはあるかなという印象です。できれば面接での服装はスーツ、シャツも白、マスクも白がよいのではないでしょうか。
(3)志望動機はどう答えればよいのか
未経験の場合は今までの業務内容の話をするよりも、今後どうなっていきたいかを伝えることが重要です。
なぜ会計事務所で働きたいと思ったのか、今後、さらに簿記の知識を深めたり、税理士試験などにもチャレンジする意欲があるのかなども、相手に伝わるように述べられるとよいでしょう。
単に「経験を積みたい」だけではなく、自分が事務所にどのように貢献できるのか、なぜ長く勤めたいと思っているか、なども伝わるようにしましょう。
家から近い、などの条件面も立派な理由になります。交通費があまりかからなくて済む、電車が動かない場合も出社ができるや、万一、残業をお願いされる場合でも対応できる、などの良い面をアピールしましょう。
(4)自己PR 例文
最後に聞かれることの多い自己PRの例文をご紹介します。
①事務経験のある母親が、子どもが小さいうちに復職しようとするケースで、週2、3日のパート勤務を希望している場合
「今は子どもが小さいため、週3日程度の勤務を希望していますが、税務の勉強を重ねていずれはフルタイムで働き、申告書を作成したり、顧客対応したりできるようになっていきたいと思っています。」
②そこまで高い意欲で働くのではなく、安定した職場でゆるゆると長く働きたいと思っている場合
「今はまだ経験がありませんが、できることから始めていき、業務の幅を広げていきたいです。最初は入力業務からのスタートからかと思いますが、申告書の作成までできるようになり、長く貴所で活躍できる人材になりたいと思っています。」