2017年2月20日
公認会計士の一般企業経理部での優位性、年収面での優遇等は、会社規模によって異なるといえるでしょう。
①大規模な上場企業
東証一部上場企業等大規模な上場企業においては、公認会計士は、公認会計士資格を保有していない一般社員と同じ待遇である会社が多いといえます。公認会計士であるから待遇や収入で有利になることはありませんが、公認会計士の知識を活かせる連結を担当する事業部、M&Aの事業部等、高度な会計知識を生かせる部署に配属してもらえる機会は、資格がない一般社員よりも多いといえます。
大規模な上場企業では、相対的にジョブローテーションが活発に行われ、経理部のみでなく、他の部署で働く機会も多いです。
②中小規模の企業
株式上場を目指す企業やJASDAQやマザーズ等新興市場上場の小規模企業では、公認会計士をCFO、管理部長、経理部長等幹部候補生として期待しているケースが多いといえます。株式未公開の段階では、年収は抑え気味のケースがほとんどですが、ストックオプションを付与したり、上場後に大幅に昇給するケースも多く、年収1千万円を超えるケースも多いといえます。
また、株式上場を目指さない企業や小規模上場企業では、経理部に長い期間配属されるなど、ジョブローテーションは活発に行われていません。
③外資系企業
外資系企業では、英語能力が高い公認会計士であれば優先的に採用され、日系企業より年収も数百万円高い傾向にあります。実力主義が特徴であり、評価された場合の昇進も早いですが、評価が低い場合は、早めにリストラされる可能性もありますので、能力に自信があり、早めの昇進を望む方に向いています。
税理士の一般企業経理部での優位性、年収面での優遇等は、会社規模によって異なるといえるでしょう。
①大規模な上場企業
東証一部上場企業等大規模な上場企業が税理士を採用するケースも増加しています。ただ一般的には、経理部で月次決算、四半期決算、年次決算、有価証券報告書の作成、連結決算等の経理業務を行い、税理士だからといって税務業務に特化して行うケースは多くないといえます。一方で大規模な上場企業では、経理部とは別に税務部門を持っている会社もあり、その場合は、連結納税、組織再編税理、移転価格税制等国際税務の等高度な税務業務を行っています。これらの部門においては、BIG4税理士法人等で高度な税務に対応してきた経験のある税理士であれば、年収面でも優遇されるチャンスがあるといえます。
②中小規模の企業
税理士の場合は、株式上場を目指す企業やJASDAQやマザーズ等新興市場上場企業だけでなく、株式上場を目指さない中小企業の経理部で働くケースも多いと思われます。一般的には税務顧問として税理士を外部に業務委託している会社が多いため、税理士が得意とする税務業務でなく一般経理業務を行うケースが多いと思われます。
また、小規模企業では、税理士をCFO、管理部長、経理部長等幹部候補生として期待して採用するケースもありますが、税務業務以外の会計業務が得意でないとう税理士も多いので、公認会計士ほどはその門戸は広くないといえます。
③外資系企業
外資系企業は、税理士の優遇度は公認会計士の優遇度と同様に英語能力があるうえで、税理士資格を保有していれば年収や昇進等は日系企業よりもよいといえます。実力主義なのは公認会計士と同様ですので、能力に自信あり、早めの昇進を望む方に向いています。
公認会計士・税理士・米国公認会計士・米国税理士 福留 聡
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