2015年6月1日
首都圏とならぶ国際経済エリアとして成長する関西圏。関西の空港には、世界中から観光客やビジネスパーソンが集まります。 なかでも関西国際空港は、1994年の開港後、24時間就航などの先進的な取り組みで評価を高めてきました。 関空の動きは、関西圏の経済状況に大きな影響力を持っていることから、会計士・税理士としても注目しておく必要があります。
新関西国際空港株式会社の発表によると、2014年度の国際線の旅客数は、前年度比12.2%増で、
過去最多となる1,351万8,801人。そのうち、外国人旅客数が、前年度比40.7%増の698万7,904人。
国際線の利用者のうち、初めて外国人の数が日本人を上回ったことが話題となりました。
外国人旅行者の数を大きく増やした要因が格安航空会社(LCC)です。LCCの新規就航が増加したことにより、
利用者数が年々伸びています。関空のLCCは国際的な評価も高く、
英国の航空業界の調査会社SKYTRAXが行った国際空港の格付け「World Airport Awards 2015」によると、
関空は「The Best Low-Cost Airline Terminals」部門で1位に選ばれています。
関空では利用者増加に合わせ施設の充実を進めています。
3月に第1ターミナルビルの改修が完了。免税店をはじめとした商業施設の充実を図るリニューアルなどが行われました。
そして、LCC専用ターミナルとなる第3ターミナルビルが、2016年オープン予定となっています。
旅行者だけでなく国際的なビジネスのための利便性向上、発展も期待できます。
関空では、4月から、海外出張をサポートする法人会員サービス「Global Business Club」を企業向けに提供。
地域企業に利用を呼びかけています。日本の空港管理会社が法人対象で会員制サービスを提供することは初めての試みです。
そして、現在関空に関して最も注目されているのが2016年1月に予定されている運営権売却。
売却が実現すると、滑走路やターミナルビルなどは、従来通り空港会社が所有したうえで、
空港の運営を民間企業の連合体が担うことになります。
民間企業が運営することで、新たな商業施設の建設による利便性の向上など、
利用客の実態に合わせた収益構造転換のための事業展開が期待されます。
現在、入札に関しては国内外の有名企業が参加を検討していることが報道されています。今後の動向が注目されるところです。
関空の開発、事業体の変化は経済に大きな影響を及ぼします。
外国人旅行者の増加は産業構造の転換を促し、地域企業の利用促進により関西発の国際ビジネスにも拍車がかかるでしょう。
また、商業施設などの増設による設備投資の増加も期待でき、ビジネスチャンスが広がります。
あらゆる企業の事業展開には、会計実務が伴います。経済の活性化は、会計士・税理士の活躍の舞台を増やすこととなるはずです。
関空の再編は、関西圏の会計事務所、監査法人による会計士・税理士の雇用に大きな影響を及ぼすとも考えられるでしょう。
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