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公会計基準統一で、本格化する監査法人の動き

2015年4月27日

監査法人の業務の一つとして、地方公共団体の公会計に関する支援業務があります。 現金主義・単式簿記を中心とする自治体の会計の問題点が指摘され、自治体財政の悪化に伴う予算管理への注目の高まりもあり、 発生主義・複式簿記による会計の導入が進む方向にあります。会計に関する行政の動きを確認するとともに、 自治体の財務書類作成のために公認会計士に求められることを考えてみましょう。


財務書類整備・複式簿記導入に関する通知

総務省は、地方公会計の整備のため、平成22年から「今後の新地方公会計の推進に関する研究会」を開催しています。 そして平成26年4月、「今後の新地方公会計の推進に関する研究会報告書」を公表。 そして平成27年1月、報告書に基づいて作成された「統一的な基準による地方公会計マニュアル」を各自治体に通知しました。

新地方公会計の大きな柱となるのが「財務書類の整備」「固定資産台帳の作成」「複式簿記の導入」の3つです。 1つ目の財務書類として作成が求められているのは「貸借対照表」、「行政コスト計算書」、「純資産変動計算書」、「資金収支計算書」です。 歳入に特殊性があるため、損益計算書に当たる書類に特徴はあるものの、企業会計に近いものとなることが名称からもわかります。

自治体には書類作成の困難も存在する

また、上記の財務書類と合わせて作成する固定資産台帳は、自治体の財産の大きな割合を占める固定資産に関して、 原則すべての保有資産について評価し、購入、売却、除却、減価償却等を記録する補助簿と位置づけられます。 固定資産台帳は、評価などにより正確性の高い書類となるかが左右されるため、作成には専門性が必要です。

企業会計では当然ともいえる、複式簿記による適時の記帳についても困難さがあります。 平成26年4月の研究会の報告書で、記帳について「日々仕訳を行う方法が望ましい」としながらも、事務負担や経費負担等を勘案して、 財務情報について一覧性を備えた情報開示ができ、自治体のマネジメントに資するものであれば、「期末に一括して仕訳を生成する方法も差し支えない」 とされていることからもその困難性がうかがえます。

公会計改革のために会計士の役割は多大

総務省の通知は、マニュアルに基づく財務書類を、平成 27 年度から平成 29 年度までの3年間で、 すべての自治体の予算編成等へ活用することについて「特段のご配慮」をお願いするもの。自治体が有益な公会計改革を行う体制を整備し、 総務省の通知を実効性を持つものにするためには、ノウハウを持つ監査法人の役割は大きなものとなります。

多くの監査法人ではすでに、統一的な基準での財務書類の作成、方式の移行などについてサポートを行う業務を開始しています。 公認会計士が企業会計で培った専門知識を、地方公会計に対していかに提供することができるかが、今後重要となっていくでしょう。

現在監査法人に勤務する公認会計士も、公会計に関する業務に携わる機会が増えていくことが予想されます。 今回発表されたマニュアルは、企業会計を日常業務とする会計士であれば、概要はすぐに理解できるはずです。 内容をチェックして、公会計の特徴について理解を深めておくことをおすすめします。

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