2015年9月3日
金融商品の多様化には目を見張るものがありますが、その象徴が、金融派生商品(デリバティブ)取引ではないでしょうか。
日本のデリバティブ市場として世界的に注目されるのが大阪取引所。金融・商業の街としての歴史を持つ大阪は、デリバティブの街として認知されつつあります。
大阪は歴史的にも先進的な金融の街です。江戸時代から商業の中心地として極めて高度化された先物取引が行われていました。現代においても、1988年に株価指数を原資とするデリバティブ取引「日経225先物」をはじめるなど、東京とは異なる個性を発揮してきました。
そして2013年、東京証券取引所と大阪証券取引所が合併され、日本取引所グループとして再スタートを切りました。これにともない、株式等の現物市場は東京証券取引所へ統合され、大阪証券取引所は「株式会社大阪取引所」としてデリバティブ特化型の取引所となりました。
大阪取引所で扱うデリバティブには、指数先物取引、株価指数オプション取引、国債先物取引、国債先物オプション取引、有価証券オプション取引等があります。
現在、大阪取引所のデリバティブ売買高は世界で14位。取引市場としての存在感を高め、世界中の投資家を呼び込む金融センターとなるための課題として、夜間取引、高速売買への対応、日本株、債券以外への商品の拡大などが指摘されています。
大阪取引所は、2016年度に取引システムを刷新。取引開始時間を午前9時から午前8時45分に早め、夜間取引の終了時間を午前3時から5時半に延長するなどの施策を打ち出しています。また、金融商品のラインナップ拡大に関しては、アジアの取引所との連携、相互上場等を行う方針も示されています。
世界からデリバティブへの投資が集まることによる、地域への経済波及効果は大きいでしょう。大阪取引所の発展は、関西経済のカギを握る存在の一つといえます。経済の発展と会計業務の発生は、いわば比例関係にあるため、会計士としても目が離せないところです。
会計業務とデリバティブの直接的な関係としては、デリバティブ商品の取引、保有に関する各会計基準の取り扱い、また税務があります。
「デリバティブの街」としてのブランドを確立しつつある大阪。関西圏で活躍する会計士の皆様は、金融商品に関して、専門的な会計情報を発信することが期待される存在ともいえるのではないでしょうか。