2015年1月29日
会計人の人材需要は、企業業績に大きく関わります。
そして、景気の状況には、地域による差もあります。そこで今回は、地域を絞って会計人の人材需要にスポットを当ててみたいと思います。
取り上げるのは、景気低迷から回復の兆しを見せているといわれる大阪です。
日本総研が11月に発表した「関西の景気動向では、日本銀行大阪支店の9月の短観で、
関西企業の 2014 年度の売上高、経常利益の計画はそれぞれ前年度比 1.3%増、同 0.6%増と、増収増益見込みとなっており、
消費税増税等の影響で夏場に減速の動きがみられた関西経済に回復の兆しがみえつつあります。
また、こういった傾向を後押しするものとして、急速に進んだ円安の影響が挙げられます。
9月の短観で使用された円の想定レートよりも、現在大きく円安が進んでいることから、
輸出産業である製造業・大企業の収益にプラス効果があるものと予測されています。
製造業・大企業の収益増加は、設備投資に大きく影響します。
日銀大阪支店の短観では、2014 年度設備投資計画(全産業)は前年度比と比較して12.9%増。リーマンショック後に急減した関西企業の設備投資の状況は、
緩やかに改善するものと見込まれます。
設備投資需要の回復傾向の局面にあって、関西の中でもとくに製造業、大企業の多い大阪の企業への好影響が考えられます。
そのため、工業機械等において増産設備、また省エネ投資や労働代替投資などが積極的に行われることが予想されています。
こういった状況下で、大阪で求められる会計士の役割はどのようなものがあるのでしょうか。
工業機械など、金額が大きい設備投資には、高度な投資判断となり、ファイナンスが成否の鍵を握ります。
会計人として、投資キャッシュフローに関する有益な情報を提供し、投資判断に資する助言を行う知識・スキルが必要となるでしょう。
また、とくに大企業においては、設備投資とともにM&Aによる経営資源の調達が選択肢に入ってくることも考えられます。
M&Aと自社での設備投資のうち、どちらかを選ぶべきかという観点からは、キャッシュフロー予測の他、企業価値の算定のための適切なデューデリジェンスが必要となります。
幅広い視野でファイナンスに関する知見を提供できる会計人の需要が高まっていくことでしょう。監査法の会計士のみならず、企業内会計士の求人にも影響が表れることが予想されます。