Section 16 定時株主総会
定時株主総会は会社の重要なイベントの1つなんだ。
決算に続いて定時株主総会を開催する
株主を招集して開催される株主総会は、会社法で定められた株式会社の最高意思決定機関。株主総会は定款の変更や役員の選任など、会社の根幹に関わる決定を下します。なかでも「定時株主総会」は、法律で開催が義務づけられた会社の重要なイベント。事業年度の終了から一定の時期に開催され、会社の1年間の営業活動が報告されるとともに、その結果である利益の分配についての決議などが行われます。
株主総会の決議は、下記図「株主総会の決議方法」のように3通りあります。それぞれ議案の重要度に応じて、要件が異なっています。
経理担当者は業績報告で使用する書類を用意する
定時株主総会で行われる業績報告は、経理担当者が準備するのが一般的。そのため決算書の作成と並行して、株主総会で使用する書類をまとめることもあります。また取締役会を置く会社は株主を招集する際、事業報告、連結計算書類、計算書類、監査報告などを招集通知の添付資料として用意する必要があります。
定時株主総会が終わると、官報、日刊新聞、インターネットのいずれかで決算を発表する「決算公告」を行うことが法律で義務づけられています。会社法上の大会社は貸借対照表と損益計算書、それ以外の会社は貸借対照表を掲載します。
ポイント
- 株主総会は会社の根幹に関わる決定を下す。
- 定時株主総会では、事業年度ごとの利益の分配について決議が行われる。
- 経理担当者は、株主総会で使用する書類をまとめる。
株主総会のスケジュール
決算日から総会日までの期間は定款の定めによるが、決算日から2カ月や3カ月以内に開催するのが一般的。取締役会がない、もしくは監査役がいなければ、その分の手続きは不要。
株主総会の決議方法
普通決議
決議内容:下記の特別決議及び特殊決議以外。取締役の選任・解任、役員報酬の決定、資本金の額の増加、剰余金の配当・処分など
定足数:議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席
決議要件:出席した当該株主の議決権の過半数
特別決議
決議内容:定款変更、資本金の額の減少、事業譲渡の承認、解散など
定足数:議決権を行使できる株主の議決権の過半数(または3分の1以上)を有する株主が出席
決議要件:出席した当該株主の議決権の3分の2以上
特殊決議
決議内容:発行している全ての株式に株式譲渡制限を設置する定款変更など
定足数:なし
決議要件:総株主の半数以上であり、総株主の議決権の3分の2以上
監査法人による会計監査を受けている会社は、同時に定時株主総会までにその監査が行われるんだ。
MEMO
株主総会の決議は1人1票でなく、1株1議決権が原則。株式を多く保有している人ほど多くの議決権がある。