Section 15 買掛金の管理の流れをつかもう
買掛金の支払い漏れや金額の誤りは、会社の信用に関わる一大事。債務の履行であることを肝に銘じて、遅滞なく処理しよう。
買掛金の管理の概要
[対象者]購買担当者、上司、仕入先
[作成する書類]買掛金元帳、買掛金管理表、支払予定表など
[確認する書類]納品書、請求書、検収書控えなど
買掛金の管理のスケジュール
①買掛金元帳・買掛金管理表の作成
取引先からの納品書にもとづき、買掛金元帳・買掛金管理表を作成する
●納品書を受領後速やかに
→CHAPTER2 Section16-1「買掛金の管理―買掛金元帳・買掛金管理表」
「売掛金」と売り買いの立場を逆にしたのが「買掛金」。これは原材料や商品など仕入の代金を後日支払う義務(買掛債務)です。以下、商品の仕入を例に買掛金の管理の流れを見てみましょう。
まず購買部門が仕入先と契約を交わして、商品の発注を行います。ただしこの段階ではまだ会計処理は発生しません。経理担当者が仕入を計上するタイミングはCHAPTER2 Section16「仕入管理―仕入の計上基準」で見るように主に3通りの考え方があり、会社によって異なります。ただし、一度採用した仕入の計上基準は、継続して用いることになります。
MEMO
振込手数料は集金義務を負う売主が支払うとの一般慣行もあるが、どちらが負担するかはあらかじめ仕入先と取り決めておくことが望ましい。
買掛金の処理の流れ
仕入先への支払いを、例えば商品が納品されるたびに行っていたら、日々の事務処理が膨大になってしまいます。そのためまず月に1度の締切日を設定し、その間に仕入れた分をまとめて毎月決まった日に支払うのが一般的です。
経理担当者は所定の期日までに振込の手続きを行ったら、「支払消込」という作業を行います。これは、帳簿上で買掛金の残高を実際の支払いに応じて消去すること。経理担当者は期日や金額に誤りなく処理できるよう、帳簿などを活用して効率的な管理を図らなくてはいけません。
MEMO
経理担当者は各月ごとの支払いをあらかじめ集計し、会社全体でいつまでにどれだけの資金が必要かを常に把握しておく必要がある。