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CHAPTER1 経理業務の全体像

Section 10 経理帳票と会計帳簿の取り扱い

さまざまな経理帳票の内容を会計帳簿に記帳していくのが、経理担当者の主な日常業務となるんだ。

新人はまず帳票の種類と扱いを覚える

会社が行う日々の取引を記録していくのが、経理の重要な仕事の1つ。そこで必要となるのが、「経理帳票」(伝票)です。これは、どんな取引がいつどのように行われたのかを第三者が見て分かる状態にまとめた書類。入金伝票、出金伝票、振替伝票、また納品書、請求書などがそれにあたります。

入力や仕訳などの会計処理は、「証憑」となるこれらの帳票なしに行うことはできません。また処理にあたっては、決裁者の承認(署名、押印など)も必要。そのほかどのような帳票に対して出金が可能かなど、経理担当者はさまざまな帳票の種類と扱いを覚えることから仕事を始めていきます。

日々の取引を会計帳簿に記帳していく

日々の帳票で表される取引は、「会計帳簿」(台帳)に記帳していきます。会計帳簿にもさまざまな種類があり、経理担当者はそれぞれの扱いや役割、管理者などについて知っておく必要があります。

会計帳簿の種類は、大きく分けて主要簿と補助簿の2つ。主要簿には法律で作成が義務づけられている「仕訳帳」「総勘定元帳」の2つがあります。補助簿は、個々の取引の具体的な内容を把握するために活用されます。

経理帳票や会計帳簿の多くは、法律で一定期間の保存が義務づけられています。これらの管理・保存も、現代においては、全ての処理は会計システムに入力することが一般的です。会計システムに1件ごとの入力をすることが「伝票」への記録をすることであり、それが自動的に「会計帳簿」への記帳となります。

ポイント

  1. 会計処理は、必ず証憑となる経理帳票を用いて行う。
  2. 日々の取引を記帳する会計帳簿についても知っておく。
  3. 経理帳票、会計帳簿などの保存も、経理担当者の仕事。

主な経理帳票の例

入金伝票 現金が入ってくる取引を記録する。
出金伝票 現金が出ていく取引を記録する。
振替伝票 銀行振込や掛取引など、現金以外の取引を記録する。
納品書 納品日、納品した商品などの名称、数量、金額などを記載する。
請求書 商品やサービスの対価の支払いを求めるために発行する。
受領書 発注した商品などの受領を証明するために発行する。

証憑類や帳簿などは会社法及び税法で種類ごとに5〜10年の保存期間が定められているんだ。

主な会計帳簿の例

主要簿 仕訳帳 毎日の取引を「借方」「貸方」に分けて発生順に記入する。
総勘定元帳 全ての取引を勘定科目ごとに分類して記帳する。
補助簿 補助記入帳 現金出納帳 入金伝票・出金伝票から転記し、現金の出入りを記録する。
預金出納帳 銀行口座でのやり取りを記録する。
固定資産台帳 所有している固定資産を管理する。
売掛帳 売掛金に関する取引を取引先別に記録する。
買掛帳 買掛金に関する取引を取引先別に記録する。
経費帳 使用した経費を勘定科目ごとに記録する。
補助元帳 仕入先元帳 仕入先ごとに取引を記録する。
得意先元帳 得意先ごとに取引を記録する。

MEMO

証憑とは、取引の成立を証明する書類のこと。会計上は、取引に関わる会計処理の正確性や真実性を担保する書類として扱われる。証憑が立証するのは対外的な取引だけでなく、社内の取引も含まれる。

経理の仕事の流れとしくみがまるごとわかる
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