Section 01 主な税金と扱いの違い
税金について高い専門性を備えていることも、経理担当者に求められるんだ。
会社が納めるさまざまな税金などを管理する
事業の利益に課される法人税や事業税の他、消費税、固定資産税、印紙税、さらに輸入にともなう関税など、会社はさまざまな税金を納めています。経理担当者はその扱いについて、高い専門性を求められることを知っておく必要があります。
国や地方自治体に納める税金の総称が「租税」。またもう1つよく似た項目に、「公課」があります。公課は、国や地方自治体が徴収する租税以外のものの総称で、不納付加算税などの罰金や賦課金などが含まれます。この2つをまとめて「租税公課」と呼びます。
納付した税金は租税公課などの科目で処理する
租税公課は、種類によって税務上の費用(損金)として認められる場合とそうでない場合があります。損金算入が可能な税金は、「租税公課」という勘定科目で処理するのが一般的です。損金算入する税金は、以下のように分類できます。1つめは、申告納税方式で納める事業税、事業所税、酒税など。2つめは賦課課税方式で納める不動産取得税、自動車税、固定資産税、都市計画税など。そして3つめは軽油引取税、ゴルフ場利用税など、特別徴収方式で納める税金です。
これに対して会社の利益に課される法人税や法人住民税は、税務上の費用(損金)にはなりません。延滞税、不納付加算税など罰則に該当する公課も同様です。
ポイント
- 経理担当者は税金について、高い専門性を求められる。
- 損金算入が可能な税金は、租税公課などの勘定科目で処理する。
- 会社の利益に課される法人税や法人住民税などは損金にならない。
主な租税公課の例と区分
租税公課は、税金(租税)と自治体などの公的な課金(公課)の総称。税務上の費用(損金)として認められる場合とそうでない場合がある。損金となる場合は、「租税公課」などの勘定科目で計上する。
損金算入の可否 | 主な税金 | 勘定科目 | 決算書の区分 | |
---|---|---|---|---|
税務上の費用(損金)になる | 印紙税 固定資産税 償却資産税 自動車税 法人事業税 都市計画税 印紙税 軽油引取税 事業所税 公共サービスの手数料 |
租税公課など | 販売費及び一般管理費 | |
不動産取得税登録免許税 | 建物など | 固定資産(減価償却にともない損金算入) | ||
関税 | 仕入など | 売上原価 | ||
税務上の費用(損金)にならない | 税引前利益から支払う | 法人税 法人住民税 |
法人税等など | 法人税、住民税及び事業税 |
罰則に該当 | 延滞税 加算金など |
雑損失など | 雑損失 |
税務上の費用(損金)として認められる税金の種類
区分 | 申告納税方式 | 賦課課税方式 | 特別徴収方式 |
---|---|---|---|
税金 | 事業税、事業所税、酒税など | 不動産取得税、自動車税、固定資産税、都市計画税など | 軽油引取税、ゴルフ場利用税など |
損金算入のタイミング | 納税申告書を提出した日の属する事業年度 | 賦課決定のあった日が属する事業年度 | 納入申告書を提出した日が属する事業年度 |
MEMO
そのほかガソリンに含まれる揮発油税、また出張時の宿泊税や入湯税などの税金は、支払った経費の一部として処理する。なお揮発油税(ガソリン税)には消費税が課されるので注意。