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CHAPTER4 税務の基礎

Section 01 主な税金と扱いの違い

税金について高い専門性を備えていることも、経理担当者に求められるんだ。

会社が納めるさまざまな税金などを管理する

事業の利益に課される法人税や事業税の他、消費税、固定資産税、印紙税、さらに輸入にともなう関税など、会社はさまざまな税金を納めています。経理担当者はその扱いについて、高い専門性を求められることを知っておく必要があります。

国や地方自治体に納める税金の総称が「租税」。またもう1つよく似た項目に、「公課」があります。公課は、国や地方自治体が徴収する租税以外のものの総称で、不納付加算税などの罰金や賦課金などが含まれます。この2つをまとめて「租税公課」と呼びます。

納付した税金は租税公課などの科目で処理する

租税公課は、種類によって税務上の費用(損金)として認められる場合とそうでない場合があります。損金算入が可能な税金は、「租税公課」という勘定科目で処理するのが一般的です。損金算入する税金は、以下のように分類できます。1つめは、申告納税方式で納める事業税、事業所税、酒税など。2つめは賦課課税方式で納める不動産取得税、自動車税、固定資産税、都市計画税など。そして3つめは軽油引取税、ゴルフ場利用税など、特別徴収方式で納める税金です。

これに対して会社の利益に課される法人税や法人住民税は、税務上の費用(損金)にはなりません。延滞税、不納付加算税など罰則に該当する公課も同様です。

ポイント

  1. 経理担当者は税金について、高い専門性を求められる。
  2. 損金算入が可能な税金は、租税公課などの勘定科目で処理する。
  3. 会社の利益に課される法人税や法人住民税などは損金にならない。

主な租税公課の例と区分

租税公課は、税金(租税)と自治体などの公的な課金(公課)の総称。税務上の費用(損金)として認められる場合とそうでない場合がある。損金となる場合は、「租税公課」などの勘定科目で計上する。

損金算入の可否 主な税金 勘定科目 決算書の区分
税務上の費用(損金)になる 印紙税
固定資産税
償却資産税
自動車税
法人事業税
都市計画税
印紙税
軽油引取税
事業所税
公共サービスの手数料
租税公課など 販売費及び一般管理費
不動産取得税登録免許税 建物など 固定資産(減価償却にともない損金算入)
関税 仕入など 売上原価
税務上の費用(損金)にならない 税引前利益から支払う 法人税
法人住民税
法人税等など 法人税、住民税及び事業税
罰則に該当 延滞税
加算金など
雑損失など 雑損失

税務上の費用(損金)として認められる税金の種類

区分 申告納税方式 賦課課税方式 特別徴収方式
税金 事業税、事業所税、酒税など 不動産取得税、自動車税、固定資産税、都市計画税など 軽油引取税、ゴルフ場利用税など
損金算入のタイミング 納税申告書を提出した日の属する事業年度 賦課決定のあった日が属する事業年度 納入申告書を提出した日が属する事業年度

MEMO

そのほかガソリンに含まれる揮発油税、また出張時の宿泊税や入湯税などの税金は、支払った経費の一部として処理する。なお揮発油税(ガソリン税)には消費税が課されるので注意。

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