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CHAPTER2 日常の経理業務と関連業務

Section 08 営業外収益と営業外費用

営業外収益と営業外費用は、会社が本業以外の財務活動などで経常的に発生する収益と費用を指すんだ。

本業以外の収益は営業外収益として計上する

損益計算書の「売上高」は会社の本業を対象とした収益をまとめたものです。会社の本業とは、定款の「事業目的」に記載されている事業のことを指します。

しかし会社の活動にともなう収益は、それだけではありません。例えば株式などの運用益、不動産の家賃収入といった本業以外での財務活動で定期的に収入を得ている会社はたくさんあります。そうした本業以外の収益は、損益計算書の「営業外収益」として示されます。

営業外収益にはさまざまな種類があり、右ページ図のような勘定科目で処理されます。これらは本業での利益と合わせて「経常利益」、つまり会社が通常行っている業務を通じて得た利益を構成します。

本業以外の費用は営業外費用として計上する

営業外収益と対をなすのが、損益計算書の「営業外費用」です。これは本業以外の財務活動などで経常的に発生する費用のこと。経常利益を算出する際には、営業利益から差し引かれます。具体的には、借入金の利息、社債の発行にともなう費用、株式の評価損や売却損などが該当します。営業外費用の「支払利息」から営業外収益の「受取利息」を差し引くことで、会社の借入コストを見ることも可能。支払利息が多いほど借金体質の会社といえます。

ポイント

  1. 本業以外での収益は営業外収益として損益計算書で区別する。
  2. 定款に記載されている本業以外での収益が営業外収益。
  3. 営業外収益と対をなして損益計算書に表示されるのが、営業外費用。

主な営業外収益の勘定科目

受取利息 預貯金、貸付金などから得られる利息。
受取配当金 出資先や子会社からの剰余金の分配、また投資信託の収益など。
有価証券利息 保有している国債、地方債、社債などの債券から受領する利息。
有価証券売却益 売買目的の有価証券を売却して得られる利益。売却時に帳簿価額を超える金額分が対象。
有価証券評価益 保有している売買目的の有価証券の期末時点の時価が帳簿価額を超えている場合、その超えた金額分が対象。
不動産賃貸料 土地、建物、機械などの資産を外部に貸し付けて得られる収益。
為替差益 為替の変動、決済などによって生じる収益。
雑収入 営業外収益のうち、どの勘定科目にも分類できない収益。独立した勘定科目にするまでもない少額の収入も、雑収入で計上する。

主な営業外費用の勘定科目

支払利息 借入金、自社の社債などに対して支払う利息。
有価証券売却損 売買目的の有価証券を売却した際、帳簿価額を下回る金額分が対象。
有価証券評価損 保有している売買目的の有価証券の期末時点の時価が帳簿価額を下回っている場合、その下回る金額分が対象。
為替差損 為替の相場変動、決済などによって生じる損失。

営業外収益と営業外費用を一言でいうと「日常的に発生する、本業とは関係ない収益と費用」なんだ。

MEMO

営業外収益が多すぎると、本業の収益力が低く評価されるリスクもある。経理の業務でいえば、手数料やロイヤリティなど本来は売上高とするべき収入を誤って営業外収益に計上するといったケースにも注意。

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