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CHAPTER4 税務の基礎

Section 04 印紙税の扱い

課税文書に該当する文書を作成する場合、所定の金額の収入印紙を貼って印紙税を納める必要があるんだ。

取引に関する文書は多くがその作成に印紙税を課される

印紙税」は、印紙税法で定められた「課税文書」を作成した場合に課される税金のこと。課税文書とは主に経済取引に関わる文書であり、下記図「印紙税額」のように計20種類が定められています。名称が下記図の通りでなくても、実態が同じであれば課税文書と見なされることもあります。

納税方法は、課税文書に印紙税額に相当する収入印紙を貼り、再利用防止のための消印を行うのが原則。収入印紙とは、主に国に対する税金=印紙税や登録免許税、または手数料などを納める目的で発行されている証票のことです。例えば記載された受取金額が5万円以上の領収書を作成する場合、所定の金額の収入印紙を貼った上に押印またはサインなどをして、消印とします。

印紙税を納めないと最大3倍の過怠税(かたいぜい)が科される

課税文書に印紙が正しく貼られていない、また消印が正しく行われていないなどの場合、ペナルティが科されます。印紙税を納付しなかった場合、3倍の過怠税(すすんで申し出た場合は1.1倍)を納めなくてはいけません。定められた方法で消印をしなかった場合も、同額の過怠税が課されます。さらに過怠税は全額損金不算入のため、注意が必要です。

また印紙は定期的にデザインが更新され、直近では2018年に新しくなりました。例えば古い課税文書に最新の印紙が貼られているといった場合、不正があったと判断されて過怠税を課されます。

ポイント

  1. 印紙税は印紙税法で定められた課税文書の作成に課される。
  2. 印紙税は課税文書に収入印紙を貼って、消印をすることで納付される。
  3. 印紙が正しく貼られていないなどの場合、過怠税が科される。

印紙税額

文書の種類 印紙税額
1 不動産、鉱業権、無体財産権、船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書 不動産売買契約書、不動産交換契約書、不動産売渡証書など 200円~60万円
2 地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書 土地賃貸借契約書、土地賃料変更契約書など
3 消費貸借に関する契約書 金銭借用証書、金銭消費貸借契約書など
4 運送に関する契約書 運送契約書、貨物運送引受書など
請負に関する契約書 工事請負契約書、工事主文請書、物品加工主文請書、広告契約書、映画俳優専属契約書、請負金額変更契約書など 200円~60万円
約束手形、為替手形 200円~20万円
株券、出資証券若しくは社債券又は投資信託、貸付信託、特定目的信託若しくは受益証券発行信託の受益証券 200円~2万円
合併契約書又は吸収分割契約書若しくは新設分割計画書 4万円
定款 4万円
継続的取引の基本となる契約書 売買取引基本契約書、特約店契約書、代理店契約書、業務委託契約書、銀行取引約定書など 4000円
預金証書、貯金証書 200円
倉荷証券、船荷証券、複合運送証券 200円
保険証券 200円
信用状 200円
信託行為に関する契約書 200円
債務の保証に関する契約書 200円
金銭又は有価証券の寄託に関する契約書 200円
債権譲渡又は債務引受けに関する契約書 200円
配当金領収証、配当金振込通知書 200円
1 売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書 商品販売代金の受取書、不動産の賃貸料の受取書、請負代金の受取書、広告料の受取書など 200円~20万円
2 売上代金以外の金銭又は有価証券の受取書 借入金の受取書、保険金の受取書、損害賠償金の受取書、補償金の受取書、返還金の受取書など
預金通帳、貯金通帳、信託通帳、掛金通帳、保険料通帳 200円
消費貸借通帳、請負通帳、有価証券の預り通帳、金銭の受取通帳なとの通帳 400円
判取帳 4000円

①~③、⑧、⑮~⑰は原則として記載額が一定以下の場合、印紙は不要。そのほかについても一部を除いて非課税文書となる要件がそれぞれ定められている。なお、①及び②については、令和6年3月31日までの間、印紙税額が軽減されている(令和4年現在)。

出典:国税庁サイト「印紙税額一覧表」(第1号文書から第20号文書まで)

MEMO

印紙税が必要な課税文書は紙の場合に限られる。電子契約のクラウドサービスを利用して取り交わした契約書については、内容や金額にかかわらず印紙税は不要。

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