Section 02 給与体系の構造

会社の給与体系について知る

「給与」とは会社で働く人に支給される給料（基本給）や諸手当などの総称です。さまざまな項目からなる会社の給与の仕組みを、「給与体系」といいます。

給与体系について、特に法律の定めなどはありません。ただし現金として従業員に支給される「現金給与」は、慣例として「基準内賃金」「基準外賃金」、それとボーナスなどの「賞与」に大別する例がよく見られます。

基準内賃金、基準外賃金の違いを知る

基準内賃金は、所定労働時間内の労働の対価として支払われる賃金のこと。年齢や勤続年数などの属人的な要素に基づいて決定される「属人給」と、職務内容や業務遂行能力などの業務的な要素に基づいて決定される「仕事給」がその主な要素です。そのほか通勤手当、住宅手当、役職手当なども基準内賃金に含まれます。

基準外賃金は、所定労働時間外の労働の対価として支払われる賃金のこと。時間外労働・休日労働・深夜労働などがその対象です。なお、通勤手当や家族手当、住宅手当などについては、残業代の計算の基礎に含まれません。

こうした給与のほか、雇用を維持するための全ての費用が人件費に含まれます。例えば退職金、法定福利費、教育研修費なども人件費とされます。

給与体系―主な人件費の種類

残業代（時間外手当、休日手当）は労働基準法の定めがあるが、それ以外は各企業によって自由に決めることができるんだ。

役員報酬	社長を含む役員に支払われる報酬。法人税の計算で損金にならないこともある。
賃金	労働に対する報酬として使用者が労働者に支払う対価。
賞与	年に数回、賃金とは別に支払われる。所得税や社会保険料の計算方法が賃金と異なる。
雑給	アルバイト、パートタイマーに支払われる給料。
退職金	退職時に支給される一時金。社会保険料はかからず、所得税についても優遇されている。
法定福利費	健康保険料や厚生年金保険料など、社会保険料の会社負担分。