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CHAPTER5 決算の業務

Section 07 減価償却と繰延資産の決算処理

減価償却資産、繰延資産などの処理も、決算にあたっての作業の1つだ。

固定資産台帳の登録もれがないか確かめる

減価償却費は、損益計算書に示されますが、貸借対照表では、減価償却した後の有形固定資産の価額=帳簿価額を除却または売却するまで記載します。また毎年の減価償却費を合計した金額を、減価償却累計額といいます。

決算にあたっての作業としては、まず当期に新しく取得した資産がもれなく固定資産台帳に登録されているかを確かめます。また固定資産台帳に登録されている資産のうち、期末までに除却または売却されたものの記録もれがないかどうかの確認も必要です。

帳簿価額、減価償却費が固定資産台帳と一致することを確認

減価償却費の計上は、税法で定めている「償却限度額」を用いることが多いです。ただし会社の方針によっては、償却限度額より少ない金額を減価償却費として計上することもあります。そのため不明な点があれば、上司などに確認が必要です。

有形固定資産の減価償却は原則として帳簿価額が1円=備忘価額になるまで行いますが、一括償却資産や特例の対象となる30万円未満の資産(p.176参照)は帳簿価額が0円になるまで、つまり全額を費用計上します。当期の減価償却費の金額を会計データに入力したら、各資産の帳簿価額、減価償却費が固定資産台帳と一致していることを必ず確認します。

繰延資産も減価償却資産と同じ流れで、帳簿価額が0円になるまで償却を行い費用を計上していきます。

ポイント

  1. 減価償却費は損益計算書、資産の価額は貸借対照表に記載する。
  2. 新規取得、または除却・売却した資産の登録・記録もれがないか確認する。
  3. 会計データが固定資産台帳と一致することを必ず確認する。

減価償却資産と繰延資産の比較

減価償却資産 繰延資産
固定資産台帳の登録 新規取得、除却や売却にもれがないように登録する 支払日に全額を費用で処理する場合、登録不要。それ以外は登録する
期中取得分 使用を開始してから期末までの期間分の減価償却費を計上する 基本的に支払日から期末までの期間分の償却を行う
償却可能限度額 取得価額 -1円* 全額
償却方法 定額法、定率法など 所定の期間にわたる均等償却または任意償却
貸借対照表の表示方法 直接法または間接法 直接法のみ

*無形固定資産、一括償却資産や特例対象の30万円未満の資産は全額

月割りした減価償却費に1円未満の端数がある時は、切り捨てるのだ。
(例)500,000 × 0.2 × 4カ月 ÷ 12カ月 = 33,333,333 ▶︎ 33,333円

減価償却については、2章でしっかり解説しています…。

MEMO

貸借対照表において、繰延資産は資産の部の一番下に流動資産、固定資産とは別に表示される。

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