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CHAPTER2 日常の経理業務と関連業務

Section 17 未払金・未払費用の管理

混同しやすい買掛金、未払金、未払費用を正しく区別できるよう、違いを把握しておこう。

未払金は買掛金と適正に区別する

「未払金」は原材料や商品の仕入などの通常の営業外取引以外の取引から発生した債務を対象とした勘定科目。例えば広告宣伝費や事務用品費などの販売管理費、または固定資産の購入などの未払い分、なおかつ支払期限が1年以内の流動負債が該当します。支払期限が1年を超える場合は「長期未払金」として固定負債に含めます。いずれも貸借対照表で同じ負債の部にある「買掛金」「未払費用」とは区別しなくてはいけません。

買掛金と未払金は、「確定している未払いの債務」という点で同じ。しかし買掛金は、売上原価や製造原価となる費用の未払い代金である点が未払金と異なります。未払金は買掛金元帳のような補助簿を作成しないこともあります。しかし予算管理をともなう経費取引として、適正な管理が欠かせません。

継続的な契約の未払い分は、未払費用として計上する

「未払費用」は、契約に基づく継続的なサービスについて、すでに提供を受けていてまだ支払いが終わっていない対価のこと。例えば土地の賃借料、車や設備のリース代、借入金の利息などの後払い分が該当します。

未払金は商品・サービスなどの提供がすでに終わっているのに対し、未払費用は継続的な契約の途中で計上する点が異なります。貸借対照表上では、未払金と同じく流動負債に区分されます。

ポイント

  1. 未払金は支払期限が1年以内で通常の営業取引以外の未払い分。
  2. 支払期限が1年を超える場合は固定負債の長期未払金とする。
  3. すでに提供を受けている継続的なサービスの未払い分は未払費用として計上。

買掛金・未払金・未払費用の仕組み

買掛金
図「買掛金の仕組み」

未払金
図「未払金の仕組み」

未払費用(決算日時点)
図「未払費用の仕組み」

企業会計原則による未払費用の定義

注解の注5
未払費用
 未払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対していまだその対価の支払いが終らないものをいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過に伴いすでに当期の費用として発生しているものであるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、未払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等による未払金とは区別しなければならない。

MEMO

流動負債と固定負債のバランスは財務分析に影響を及ぼすため、正確な区別が必要。1年以内に支払わなくてはいけない流動負債より固定負債が多いほうが、資金繰りが安定しているといえる。

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