新規登録 求人検索
新規登録

CHAPTER2 日常の経理業務と関連業務

Section 09 特別損益の計上

営業外収益・営業外費用とはまた別に、本業以外で臨時に発生した利益・損失は特別損益として計上されるんだ。

その期にだけ発生した臨時的な利益を特別利益として計上する

営業外収益と営業外費用は、本業以外の経常的な収益と費用が対象。それに対して同じ本業以外であっても、例えば固定資産を売却するなどして発生した臨時的な利益や損失は、「特別損益」として区別されます。損益計算書は、本業の「営業損益」と「営業外損益」からなる「経常損益」にこの特別損益を加減して、当期純利益を示す仕組みになっています。

特別損益は、「特別利益」と「特別損失」の2つで構成されます。

特別利益は、会社の経常的な事業活動と直接関係なく、その期にだけ発生した臨時的な利益。特別利益かどうか一律に判断する基準はなく、例外的または異常な事象に基づくこと、多額であることなどが計上の要件とされています。不動産など固定資産売却益が代表例の1つです。

火災、自然災害、盗難なども特別損失として計上する

特別損失は特別利益の反対で、その期にだけ発生した臨時的な損失。計上の要件は、特別利益と同じです。代表例は、不動産などの固定資産売却損。そのほか火災、自然災害、盗難、またリストラにともなう損失なども含まれます。特別損益のうち、特別損失のほうが圧倒的に多く計上されているのが実情です。

特別損益が計上されるのは、あくまで異常なケース。毎年多額の特別損益が発生するとしたら、何か問題があると考えなくてはいけません。

ポイント

  1. 特別損益は損益計算書で経常損益と対比される。
  2. 特別損益は例外的または異常な事象に基づく、多額であることなどが要件。
  3. 不動産など固定資産売却益 / 損が特別損益の代表例の1つ。

主な特別損益の勘定科目

固定資産売却益
固定資産売却損
固定資産(土地・建物など)を売却した際の損益。売却価格が帳簿価額を超える場合は売却益、下回る場合は売却損。
投資有価証券売却益
投資有価証券売却損
「その他有価証券」を売却した際の売却益または売却損。
前期損益修正益
前期損益修正損
過年度の決算の誤りを修正するにあたって発生した利益または損失。
保険差益 損害保険の支払いが関係する事故や災害に際し、保険会社から受けた保険金の額が実際の被害で受けた損壊の金額よりも多い場合の差益。
災害損失 商品や建物などの資産が災害で被害を受けた場合の損失。

特別利益と特別損失

特別利益とは

会社の通常の業務内容とは関係なく、その期だけ例外的な要因により生じた利益。


[主な例]

  • 会社保有の建物や土地などの固定資産売却益
  • 転売以外の目的で長期間保有している株式や証券の売却益
  • 債務免除による債務免除益
  • 前期の損益の修正によって発生した前期損益修正益
特別損失とは

会社の通常の業務内容とは関係なく、その期だけ例外的な要因により生じた損失。


[主な例]

  • 会社保有の建物や土地などの固定資産売却損や固定資産除去損
  • 転売以外の目的で長期間保有している株式や証券の売却損
  • 火災、自然災害、盗難などによる損失
  • 前期の損益の修正によって発生した前期損益修正損

MEMO

経常的ではない損益であっても、金額が少ない、また毎年発生するなどの場合は、営業外損益に計上することも可能。特別損益は、あくまで多額で異常な損益として区別される。

経理の仕事の流れとしくみがまるごとわかる
INDEX