事業承継に携わることは、
税理士として幅広い知識を身に付ける好機になる

クライアントの経営支援を行える税理士を目指し、コンサルタントとして就職

「祖父が司法書士の仕事をしていたため、子どものころから漠然と、将来はそのような専門家になることを意識していました」と守田善紀氏は話す。

中でも関心を持ったのが税理士だった。そこで、大学および大学院では経営学・法律学を学び、税理士試験にも合格したが、「すぐに税理士になるよりは、一度外の世界を見ておいたほうがいいだろうと考えて」、日本IBMに就職した。

「同社には3年半ほど勤務しましたが、仕事はとても面白かったですね。チームのリソースを活用して、お客様の課題の解決に取り組む方法や、質の高い仕事を生み出す姿勢なども学びました」

その後は関西の大手税理士法人に転職するが、そこで税理士法人の現状を目の当たりにした。

「50-70社ほどのクライアントを担当し、税務・財務アドバイスなどを行っていました。非常に大切な業務でやりがいもありましたが、1社1社のクライアントに十分な時間を割くことは難しく、この環境で本当に自分の目指す経営支援が実現できるのかと、疑問を感じることもありました」

多くの企業オーナーに接する一方で、その経営課題や悩みに十分に応えることができていないというフラストレーションもあったという。

「企業の代替わりの際に、企業はどのような経営課題に遭遇するのか、そのために事前に意識し実施しておくべきことはどういうことか、企業の持続的な成長を実現するためには事業承継が大切であると感じ、関心を持つようになりました」

事業承継支援は経営支援の中でも特に経営に直結するコンサルティング業務となる

みらいコンサルティングは、再生・再編、人事・労務、M&A、会計・税務、国際業務など、経営全般にかかわるコンサルティング業務を行っており、最近では、事業承継支援に力を入れている。

「事業承継と一口で言っても、経営者の年齢や引退するタイミング、株式の分散具合、不動産などの財産の内容など、一つとして同じ状況はありません。経営者の価値観や想いをしっかりと理解し、それを実現できる選択肢を提案し、経営者と共に実行するのが私たちの役目です」

むろん、最適な提案を行うためには専門知識が不可欠だ。同社では、コンサルタントや税理士、公認会計士、社会保険労務士、司法書士などの専門家がプロジェクトチームを組み、総合的な視点で顧客をサポートするのが特長だ。

「ミーティングでは、共通の目的の下にそれぞれの専門家の視点で意見を出してもらうようにしています。新たな発見の機会も多いです」

守田氏はもともと、税理士として独立することも視野に入れて、就職や転職をしてきた。同社で事業承継の業務に携わることは、独立を考える人にとって遠回りにならないのだろうか。

「独立を考えている方にとっても、全く遠回りにはならないと思います。事業承継ではさまざまな観点での検討が必要で、幅広い知識と視野が得られます。むしろ経営に寄り添う税理士を目指す方には近道と言えるのではないでしょうか。私は今の仕事内容に本当にやりがいを感じていますし、お客様へ提供できるサービスの価値、志の高いメンバーなど、今はこの環境が自分のミッションを最も達成できる場だと感じています。お客様のことはもちろん、従業員の成長を本気で考え、支援してくれる会社の姿勢にも共感しています。今後、個人としては、マネジメント力の強化やリーダーシップ力の醸成などにも努めていきたいですね」

> 事業承継×税理士法人の業務紹介