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改正会社法でM&A手法が変わる「スクイーズ・アウト」とは?

2015年9月28日

平成26年に施行された改正会社法では、大きな話題となった社外取締役の設置に関する規定など、様々な重要な改正点があります。その中で、M&Aのアドバイザー業務、証券関連業務などの会計士業務に深く関わる改正に、特別支配株主の株式売り渡し請求の制度があります。


90%の大株主が全株式を取得

同制度は、総株主の議決権の10分の9以上を所有する株主(特別支配株主)が、ほかの株主全員に対して、所有する株式すべてを自己に売り渡すことを請求できるというものです。
新株予約権を発行している場合も、株式売り渡しと併せ、新株予約権の売り渡しを請求することができ、少数株主の排除を完全な形にすることができます。

同制度により、実質的に会社を支配する大株主が、株主総会などの決議を経ることなく、少数株主を排除することができることになります。特別支配株主が少数株主から強制的に株式を買い取る手法は、英語で「締め出す」という意味の「スクイーズ・アウト」と呼ばれています。

企業買収・完全子会社化を円滑に

同制度の導入が求められた背景には、M&Aの円滑化があります。ある企業を買収し完全子会社化する場合に、大多数の株式を取得した後、少数株主が残っていることで、株式の管理コストや、円滑な企業運営に支障をきたすおそれがあるからです。

従来、その少数株式を取得するスクイーズ・アウトは不可能ではありませんでした。その主な方法が、定款変更による全部取得条項付種類株式の発行です。しかし、そのためには株主総会と種類株主総会の特別決議が必要であることから、手続きが煩雑で、時間、費用がかかっていました。

新たな制度では、特別支配株主と少数株主が直接取引を行うことで、買い取りができるようになりました。スクイーズ・アウトの手法が、より利用しやすくなったといえるでしょう。

会計士は制度を正確に学ぼう

M&A業務を手掛ける会計士には大きな変化となるため、すでに株式売り渡し請求制度について、手続きなどのルールを確認しているはずです。M&A関連業種への転職を検討している会計士の皆様も、確認しておく必要があるでしょう。

株式の価額の決定、通知や公告の手続きなど、慎重に行わなければトラブルの原因となりかねない実務上のポイントもあります。法令の確認とともに、弁護士らが執筆する実務関連書籍などで確認しておきたいところです。

現在、会計業務や監査業務を行う会計士にとっても、商法・会社法は、会社経営の基本となる法律であり、実務上、折に触れて参照する必要があります。改正のポイントとともに、会社法の体系をもう一度学びなおしてみてはいかがでしょうか。

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