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財務デューディリジェンスとは?

2014年6月5日

企業の競争力強化、成長戦略としてのM&Aの位置づけ

近年、企業の競争力強化や成長戦略の選択肢としてM&Aが注目を集めています。それは、M&Aにはさまざまなメリットがあるからです。

例えば、企業の買収に関していえば、買収側企業は、規模の拡大や新規事業への参入、被買収企業のスキル及びノウハウの獲得を時間を掛けずに行うことが可能となり、 被買収企業は、資金調達を含めた経営の安定が図れるといったメリットがあります。 また、企業の合併に関していえば、 株式の発行で実施することが可能であるため、対価が不要にできるというメリットがあります。
さらに、簡易な手続きでM&Aが可能となるような法律改正や、税制面での優遇措置など、M&Aを促進する政策も打ち出されています。

これは、国内企業にさらなる競争力、もっといえば国際競争力を身に付けさせるという国策に他なりません。

デューディリジェンスと公認会計士の役割

M&Aを実施するには、対象企業の実態を詳細に把握するため、デューディリジェンス(投資対象の価値リスクを詳細に調査する作業)の実施が不可欠になります。 主なデューディリジェンスとその目的を以下に示します。

・ビジネス・デューディリジェンス
 対象企業における事業上のリスク、業務改善の実現可能性等の把握
・財務デューディリジェンス
 対象企業の時価純資産等に与える財務上のリスクの把握
・法務デューディリジェンス
 対象企業に関する法的リスクや、法務上のM&Aの阻害要因等の把握
・環境デューディリジェンス
 対象企業における土壌汚染やアスベストの有無等、環境上の問題点の把握

公認会計士が行うのは主に財務デューディリジェンスになります。 財務デューディリジェンスは、決算書等から得られる情報の分析に加えて、営業債権の回収可能性、たな卸資産の劣化や陳腐化の有無、 固定資産の償却過不足や減損損失の認識の必要性、潜在的な債務を含む簿外債務の有無等、財務上のあらゆるリスクや留意事項の洗い出しを行います。 この作業がもたらす成果は、M&Aの対象企業の買収価額等に直結するため、慎重になされる必要があります。

必要不可欠な公認会計士の知識と経験

財務デューディリジェンスを行うには、公認会計士の知識と経験が不可欠であるといえます。 というのも、それぞれの勘定科目にどのような特性があるか、どのようなリスクが潜んでいるかについて、網羅的な知識が必要だからです。

また、勘定科目の特性やリスクは企業によってさまざまであり、財務デューディリジェンスは画一的な手続きを実施すれば良いというものでもありません。 したがって、企業のM&Aの実施においては、会計監査のプロフェッショナルである公認会計士の役割は、非常に大きなものであるといえるでしょう。

公認会計士 高橋和則

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