2014年6月30日
近年、企業の成長戦略の実現やグループ全体でのシナジー効果の発揮のため、また、
グループの中核事業を補完するために、M&A(Mergers & Acquisitions)により子会社を新たに取得するケースが増えています。
市場の国際化により、時には海外企業が競争相手になるなど、厳しい企業間競争を勝ち抜いていくために、
グループが一丸となってグループ全体の企業価値を高めていく「グループ経営」が重視されており、
経営上の意思決定を適切に行うためにグループ全体の業績を把握することが重要となります。
グループ全体の業績を把握し適切に意思決定するためには、各グループ会社の決算書を単純に合算したものを利用するだけでは十分ではありません。
これは、各グループ会社の決算書にグループ間の内部取引が含まれることがあり、これらの決算書を単純に合算しただけでは内部取引が計上されたままになり、
グループ全体の真の実力を把握することができないためです。グループ間の内部取引を除外した、グループ外部に対する業績を把握しなければ、
適切な経営判断を行うことは難しいと考えられます。
また、純粋持株会社の場合には、グループ会社を管理することが主たる事業目的となることから、純粋持株会社の決算書のみでグループ会社各社の業績を把握することはできません。
一つの会社で様々な事業を行っている場合と分社化して同様の事業を行っている場合の業績が、結果として同じにならなければ、適切な経営判断ができなくなる恐れがあります。
したがって、グループ全体としての競争力を把握するためにも、グループ全体の真の業績を示す連結決算を行うことが重要です。
また、連結決算を行うことにより、グループの会計方針の統一や子会社決算の適正化などを通じて、グループガバナンスを強化することにもつながります。
連結決算は通常の単体決算とは異なり、グループ会社間の取引の消去やグループの純資産を算定するために複雑な調整が必要な場合があります。
そのため、グループ全体の業績や財政状態を適切に測定するために、連結決算の知識や実務経験を保有しておくことが求められます。
そこで、会計監査を通じて様々な上場企業の連結決算の実務を経験している公認会計士が連結決算業務を担当することに重要な意義があると考えられます。
企業グループのさらなる発展をサポートするために、連結決算業務の担当者として関与してみませんか。
公認会計士 本田直誉