2014年7月3日
近年、市場の国際化により、日本企業の事業活動のボーダーレス化が進んでいるとともに、企業間の競争が激化しています。
このような環境の中で勝ち残って行くためには、グループ企業価値の向上が欠かせません。
グループ企業価値を向上させるために、グループ外の会社を自社グループに取り込むM&A(Mergers & Acquisitions)が選択肢の一つとして挙げられます。
時にM&Aは「時間を買う」、「自社にない事業や能力を得る」などと表現され、
成長のスピードと引き換えに企業風土の異なる企業を自社グループに取り込むことになります。
経営統合後にシナジー効果が十分に発揮されるためには、グループ会社の経営を従来の経営陣任せにするのではなく、
グループ本社が積極的に関与し、業績拡大のためにこれまで実施してこなかったような経営を行うことが必要不可欠となります。
既に海外展開している日本企業においては、文化や言語が異なるためグループ会社管理の海外展開が十分にできておらず、
その結果としてシナジー効果が十分に発揮されている会社はあまり多くないといわれています。
また、グループ会社の中には、グループ本社の要求する水準の業務を実施するほどの十分な管理部門の担当者を確保できないことがあるため、
自社グループに取り込んでも管理が十分に行き届かず、業績の向上に結び付かない可能性があります。
そのため、グループ会社の業績を向上させるために、グループ本社主導のもとで日本国内に限らず海外を含めてグループ会社管理を行う必要があります。
たとえば、グループとして目指す方向性を明確化するために経営理念を共有したり、
特定の個人に依存しないために流動的な人材配置を見据えて円滑に業務を実施ができるよう業務を標準化すること、などが重要なポイントとなります。
M&Aにより新たに子会社を取得して、シナジー効果を十分に発揮してグループ企業価値を向上させるためには、
グループ会社の管理を行うことが必要不可欠となります。
この点、公認会計士は上場会社などの財務諸表監査や内部統制監査などを通じて様々な会社のグループ管理の方法を目の当たりにしていることから、
グループ会社管理の実務的な対応を行うことについての素養があると考えられます。
会計監査で培ったノウハウを有効活用するために、グループ会社の担当者を巻き込んでグループ会社管理にアグレッシブに取り組み、
グループ企業価値の向上に管理面からサポートしてみませんか。
公認会計士 本田直誉