2016年08月09日
来る8月9日~8月11日、平成28年度(第66回)税理士試験が行われます。今回は少し気が早いですが、試験合格者の転職市場の状況について考えてみたいと思います。
今年度の受験申し込者数は、4万4,400人。昨年度の受験申込者数は4万7,145人でしたので2,745人の減少。平成26年度から27年度は2,731人減少、その前は5,000人以上の減少ですので、減少幅は小さくなっているものの、減少傾向は強いようです。科目合格者も数千人単位で減ることが予想されます。
一方で、税理士の転職市場の動向としては活況を呈しています。税理士事務所の税理士採用意欲は依然として高い状況です。採用需要の高まりを受けて、応募条件を緩和している事務所も多く、売り手市場のここしばらくは就職や転職には好機と考えられます。顧問料の低下など、厳しい話題の多い税理士業界ですが、業界全体の売上高は上がっており、これは皆さまにとってよいニュースかと思います。
毎年、8月の試験後には税理士事務所・法人による科目合格者の求人が増えます。
受験者、合格者が減少する中、事務所・法人側にとって、税理士登録者、5科目合格者、一部科目合格者の確保は大きな課題となります。
採用活動は、夏季休業から一呼吸置いた9月に本格化すると予想されます。早めの応募は、転職への意識の高さを伝えるための最も簡単な方法です。8月下旬ごろからは求人情報に注目しておく必要があるでしょう。
最近の景気回復傾向から、雇用改善、賃金上昇、設備投資の増加等がみられ、税務・会計業務が増えています。また、徐々に進む経営者の高齢化から事業承継や個人の相談などの増加に伴い、資産税に関わる案件の獲得を目指す事務所が増えていることから、相続税法を取得していると、有利に交渉を進められる可能性はあります。また、人材不足も相まって、税理士事務所・法人の新規求人では給与の上昇もみられるところです。転職者にとってチャンスが大きい時期でしょう。
今年度の税理士試験の合格発表は12月16日。9~12月の転職活動では、面接等で試験結果について聞かれることが多くなります。この時期は、合否がわからず不安定な状態での活動となりますが、採用する側も当然それはわかっていることです。
自己採点の結果、予測される科目合格の状況に合わせたキャリアプランを、自信をもって話してよいと思います。会計人としての将来を感じさせる最善のアピールの仕方を考えてみてください。