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簿財以外の税理士選択科目 ますます重要視されている

2014年11月6日

会計事務所の税理士求人において、5科目試験の合格者であること、また簿記論、財務諸表論以外の選択科目が重視されていることはよく知られています。

試験合格者の皆様も、科目選択の際、自分の得意分野と就職の優位性を勘案したことでしょう。


「最強」の選択科目とは?

転職の際に選択の有無が見られる科目として、まず法人税法が挙げられます。税理士の業務は企業税務が中心となるため、これは理解できます。 また、企業税務に関連して、消費税法も重要となります。

所得税法は、個人を対象にしているだけに、課税対象の多さが魅力です。 個人事業主の税務はもちろん、個人FP業務に力を入れる事務所であれば、法人税法と所得税法の両方に合格している人の価値が高まります。

そして、最近会計事務所から特に多く聞くようになったのは、相続税法の合格者を求める声です。 いうまでもなく、高齢化や相続税の課税ベース拡大により、これから市場が大きくなると予想されることによる需要です。

つまり、最も優位性の高い選択科目は、簿財に加えて法人税法、所得税法あるいは消費税法、相続税法ということになります。 非常に大雑把な言い方ではありますが、この並びの「強さ」は否定できないところでしょう。

選択科目はキャリアが続く限り付いて回る

すでに税理士となっている人にとって、受験時の選択科目は変えられないものであり、自身のキャリアに常に付いて回るものです。

選択科目にネックがあると思われる方、あるいは大学院ルートなど5科目を受験していない方にとって、選択科目の影響がのちのちの転職にまで響くのは残念なことでもあります。 しかし、税理士としての本当のキャリアは合格後に始まります。実務経験を積むことに加え、採用者が気にする未選択の科目の存在を意識した上で、 不安を払拭するようなアピールを行うことが必要となります。

事業承継への意識がすべての税目に通じる

法人税法を選択していない人のアピールの仕方は比較的わかりやすいでしょう。 勤務時代の顧問先となっていた会社の税務経験を、なるべく多く提示することです。所得税法を選択していない人であれば、勤務時代の個人顧客のサポートに関する経験を必ず入れましょう。

そして今最も起こりがちなことは、相続税法を選択しておらず、さらに実務において相続を扱った経験が乏しいというケースです。

ここでキーとなるのが「事業承継」です。事業承継は、法人税法、所得税法、相続・贈与税すべてが連関している分野。 事業承継に関して、自社株、M&AやMBO等の相談を受けたことがある、といった経験があれば確実にアピールしておきたいものです。

顧問先に実際に承継、相続実務が発生しなかった、ということも多いと思います。 しかし、将来起こるべき問題を理解し、適切なアドバイスを行っていたということがうかがえるように実績を説明することにより、 相続に関する意識の高さを示すことができるでしょう。

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