2017年11月27日
ASBJ(企業会計基準委員会)は、平成29年12月に、仮想通貨に係る会計上の取扱いに関する指針の公開草案を公表することを目標として検討を行っていることを公表しました。
ASBJ(企業会計基準委員会)の議事概要によると、現在想定されている仮想通貨の会計処理を要約すると下記の通りとなります。
仮想通貨交換業者は、仮想通貨の売却取引を行う場合、当該仮想通貨の売却取引に係る売却収入及び売却原価はそれぞれ計上せずに、売却収入から売却原価を控除して算定した純額で表示する。
仮想通貨の会計及び税務上の取扱いですが、現状では下記通り消費税法及び所得税法の取扱いが定まっているだけです。
平成28年6月に公布された資金決済に関する法律により、仮想通貨も硬貨や紙幣と同様に、支払手段として法律的に定められたため、消費税法においても、平成29年7月1日以後の仮想通貨の売買取引は、有価証券に類するものの範囲に含まれることになり、消費税課税対象外となりました。
所得税法がビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係が国税庁により公表され、ビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されることになりました。
今後、今年末から来年度初めにかけて法人税法や会計基準、実務指針の取扱いが公表されていくことになると思われます。仮想通貨に係る会計上の取扱いを読む限り、仮想通貨は活発な市場が存在する場合は、売買目的の有価証券の取扱いに近い会計処理、税務処理が想定されます。売却前の未実現損益も損益認識され、法人の場合は課税の対象になる可能性が高いと思われます。