30代
profile 中小企業の経理部で働く36歳の男性。現在の会社を辞める際に、残っている有給をすべて消化しようとしたが、会社側に難色を示された。このようなことは許されるのか知りたがっている。
Q
【転職の際に、有給を消化できないことってある?】

中小企業の経理部で働く36歳の男性です。転職のため2カ月後に現在の会社は退職の予定になっています。基本的に風邪をひいた時くらいしか休暇は取らないので、有給休暇は20日ほど溜まっています。

すでに業務の引継ぎのめどは立っているので、会社に迷惑をかけない範囲でこの有給休暇は消化しようと考え、最後の1ヵ月はまるまる休もうと思っていました。

ところが会社側からは、そのようなことはダメだと言われ、結局、有給を18日以上残して退職しました。本来、月々の給料は有給の日数も踏まえて決まっているはずなので、このような企業は何かしらのルールに違反しているのではないでしょうか。
 
A
年次有給休暇とは、労働者の心身の疲労を回復させ、また、仕事と生活の調和を図るために、労基法が労働者の「権利」として認めた有給の休暇です。

従って年次有給休暇をどのような目的でとるのかは、労働者の自由であり、使用者はその目的いかんによって年次有給休暇の取得を拒むことはできません

また年次有給休暇の取得日は原則として、労働者が好きな時季を指定することができます。ただし、労働者が指定した時季に休暇を与えることが「事業の正常な運営を妨げる場合」には、使用者は他の時季に変えること(時季変更権)が認められています(労基法39⑤)。

つまりご質問者様のケースはおそらく法律違反であり、しかるべき労働基準監督署に相談・通報することで、是正される可能性があります。ルールを守る企業が増えていけば、さらにより多くの企業で労働者の権利を守る健全な運営がなされるようになるのではないでしょうか。 

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