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profile 大手企業(未上場)の経理部で決算を担当している28歳の男。今後は経理の分野でもAIの進展が予想されるが、経理パーソンとして伸ばしていかなければならない能力やスキルを知りたがっている。
- Q
- 大手企業(未上場)の経理部で決算を担当している28歳の男性です。
少し前から会計システムの導入により業務が楽になるというテレビコマーシャルが流れているのをよく目にします。業務が楽になって、女性社員が喜んでいるというオチですが、その先にあるのは経理部内の人員削減もしくは他の部門への配置転換かと思うので、ただ喜んでいるわけにもいかない気はします。
確かに定例業務がAIにとって代わられるということはわかるのですが、現在やっている決算業務まで、いくつかのイレギュラー処理をする担当だけがいれば、将来的にはAIによって自動でできてしまう未来もくる気がします。
ざっくりした質問で恐縮ですが、今後、経理パーソンとして伸ばしていかなければならない
能力やスキル、勉強を深めないといけない経理分野があれば教えてください。
- A
- 経費精算に関わらず、今後は領収書の金額を会計ソフトに入力するような業務はAIに取って代わられていくと思います。
しかし経理業務の中でも、人がやらなくてはできない仕事というのはあります。伝票上と実際の数字が違った時や、営業からあがってきた数字に疑問がある時など、確認や判断が必要な業務です。そういった確認や判断は、経験値が積みあがらないとできない作業ですし、それは単純な入力作業とは違い、今後もなくなることはないのではないでしょうか。
またそういた経験を積むことで業務フローの見直しを提案したり、新しい方法を取り入れたりするのは、経理の業務を理解している人にしかできない判断です。
今後、経理パーソンとしてどのような能力を高めていけばいいかというご質問ですが、これをすれば大丈夫というものはなく、むしろそれを自分で考えて提案できることに人の付加価値があり、それを生み出せるように日々の業務の中で成長していくことを心掛けることが重要だと思います。
管理会計や経営企画などの求人には、新しい提案ができる人を求めるものが少なくありません。求職者からは「どういった資料を作るのか」「どういう数字が必要なのか」といった質問を受けることがありますが、もしそれがわかっていたら企業側は新しい人材を募集しませんよね。
今までの経験から、その企業の現状をみて今後必要なものは何なのかといった新たな視点を提案できる人が、AIには代用できない経理パーソンとして求められていくのではないでしょうか。