40代
profile 上場企業の決算チームで働く48歳の男性。中小企業に経理の責任者として入社する場合、どのようなことが懸念されるか知りたがっている。
Q
48歳男性、上場企業の決算チームで働いています。このほど転職を考えており、創業30年ほど、社員40名で年商10億円のオーナー企業(社員はほぼ全員職人)に経理の責任者としての求人を見つけ、面接まで進んでいます。

いままでその会社では、経理業務は総務の担当者が入力作業を行い、あとの業務を税理士事務所にアウトソーシングをしていたようですが、今後は内製化していくようです。社内の経理書類はすべて手書きのようで、それを電子化していくといったことも入社後の業務に含まれているとのこと。

経理の流れはわかっているものの、中小企業の経理は経験がないこともあり、転職するかどうか悩んでいます。また、あと2,3年で社長が引退するようで、入社を決めた場合、社長の引退と同時にわたしが会社を引き継ぐ形となります。これも責任が重く正直、迷っています。

入社を決めるにあたって、なにか懸念されることがあれば教えてください。
 
A
上場企業から中小のオーナー企業への転職の場合、まずは社長、それから現場のマネージャーや社員との相性が非常に重要になってくると思います。企業文化やコンプライアンスの意識なども大きく違う場合があるので、ミスマッチを防ぐためには、入社前に社長だけでなくラインの責任者とも顔合わせを行っていただくのが大切ではないでしょうか。

社内の経理の業務を内製化するという課題ですが、いずれ上場するなどの目標があってそういった準備をするのでしょうか。そうでなければ、現在アウトソーシングをお願いしている税理士事務所に何らかの理由で業務を依頼できなくなったのであれば、別のアウトソーシング先を検討するというのもひとつの案だと思いますが、そのような背景を理解しておくこともミスマッチを防ぐためには必要かと思います。

また入社を決めた場合、いずれ社長として事業を承継するということですが、オーナー企業の場合は創業者のカリスマ性や人柄で事業を大きくしてきた場合があります。その方が引退するとなると、社員のモチベーションが下がり退社してしまったり、取引先との関係も白紙に戻ってしまったりするかもしれません。

現在面接中とのことですので、入社前にどの程度、現在の社長に会社が依存している部分があるのか、そのあたりも確認することをおすすめいたします。

事業を引き継いだ後、そのまま上手くいけばいいのですが、万一失敗してしまった時には今後のご自身のキャリアに大きな影響を及ぼします。

上場企業の経理として積み上げてきたキャリアは変わらず評価されるでしょうが、社長として事業を失敗したという評価はもちろんマイナスになります。

この転職をきっかけに、さらに経理のキャリアを積み上げたいのか、それとも経営者として新たに挑戦したいのかなど、今後、ご自身がどのようになっていきたいのかをきちんと考えてから、入社を決断するのがいいのではないかとアドバイスさせていただきます。 

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