- 30代
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profile メーカーの経理部で管理会計に携わる30歳、男性。自分のキャリアを第三者にどう説明すればよいか、そのまとめ方に悩んでいる。
- Q
- メーカーの経理部で働く30歳の男性です。入社以来、管理会計の部門におり、自社製品の粗利を算出するシステムを開発するプロジェクトの一員として働いてきました。そのシステムが無事完成し、安定稼働してきたところで転職を考えています。
新卒のころから、わけもわからず膨大な数の原価計算をこなしたり、システムが完成してからはこれまた膨大な数のエラーチェックをしたりなど、どちらかというと作業的な工程を中心にこなしてきました。
わたしの場合、このように仕事として「何をやってきたか」という説明はできるものの、客観的かつ普遍的な経理スキルとして「やってきた仕事のレベル感」を説明するのが、なかなか難しいです。つまり、「正確に毎月の売掛金の消込みができます」「一人で決算を締められます」「別表四の作成に必要な数字をすべて集められます」といった誰もがイメージできる指標のようなものがありません。
転職エージェントの方との面談やその先にある面接の前に、自分のキャリアをどのような観点でまとめるのがよいのでしょうか。
- A
- 仕事の内容を列挙するだけではなく、その仕事に関するレベル感や仕事への関わり方を整理するのは転職活動を行うにあたり、非常に有意義であると思います。
ここでは、①何をやってきたかの列挙、②それの補足、③アピールできる点に繋げる、という3つのステップでご説明しようかと思います
まずは、「何をやってきたか」ということですが、入社してから今まで、ご自身が携わられたものをできる限り細かいことも含めて挙げてみてください。例えば一般的な経理業務でいえば、「売掛金・買掛金管理、年次決算、税務申告、連結決算、監査対応」となりますし、質問者様の業務を想像すると、「管理会計システム導入プロジェクト、管理会計、原価計算、予算実績差異分析、システム入力データ検証」などになると思います。
採用側の企業としては、まずはその方が「どのような業務に携わったことがあるのか」が関心事になりますので、これらの要素をできる限り挙げてみてください。
次に「やってきた仕事のレベル感」ですが、前に挙げた具体的な業務について、どういった関わり方をしていたのかが分かる「補足」と、その仕事について自分なりに「アピールできる点」に繋げてみてください。
まず「補足」についてご説明します。例えば前出の「売掛金・買掛金管理」を例にとってみます。弊社では売掛金の担当と買掛金の担当がそれぞれ1名ずつおり、私は主に売掛金を担当しております。日本全国に6支店あり、それぞれ口座を分けて管理しておりますが、月間1,000件ほどの入金について全て確認をしており、処理の修正依頼や未入金の確認など、各拠点の営業と直接日々やり取りをしております。というのが「補足」です。
これに対し「アピールできる点」です。当初売上データの計上漏れを後から修正するような事態が頻発し、月次データを確定するまでに10日ほど掛かっていました。各支店から毎月25日時点で取引データを共有してもらえるようにフローを見直し、事前に計上漏れを確認するように見直しを行ったことで、今では修正が激減し3日でデータの確定ができるようになりました。
これを質問者様の経験された業務に照らして、「どういうメンバーが集まってシステム導入プロジェクトが進んでいたのか、その中で自分はどういった役割を担っていたのか、あまり協力的では無い部門や個人に対してどう働きかけてプロジェクトを進めたのか」などのようにまとめることで、必ず相手に伝わるものとなります。
ただし、全てを職務経歴書に盛り込むと冗長になります。応募したい求人の業務内容や求められている要件に対して、アピールに繋げられるような要素を上手くまとめることで簡潔かつ効果的な職務経歴書作成の参考にしていただければと思います。