- 税理士 40代
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profile 41歳の税理士。独立開業するか転職するか、今後の方向性で悩んでいる。
- Q
- 41歳の税理士です。叔父が経営する街の小さな会計事務所で働いています。いま叔父は60代ですが、その息子(わたしにとっての、いとこ)が現在税理士試験に挑戦中で、いずれは彼が事務所を継ぐ予定です。
わたしはほかの会計事務所に転職をするか、独立開業を考えています。もし転職をする場合、後継者のいない70代以降の税理士が経営する事務所に入ることができれば、いずれその方が引退するときにお客さんも含めて承継できるのではないかと甘いことを考えています。
このような方針について、意見をお聞かせください。また、そのような小さな会計事務所の求人案件があるのかどうかも教えてください。
- A
- 確かに弊社でも、比較的小規模な会計事務所の所長さんから、そのような依頼をいくつかいただいたことがあります。ただし、割合とすると全体の求人のうち1,000件に1件あるかどうかというぐらいの頻度です。
世の中には後継者がいらっしゃらないことが課題となっている所長さんも数多くいらっしゃると思いますが、顧問先の理解を得ながら知り合いの税理士さんに引き継ぐケースや、M&Aにより他の税理士法人と統合するようなケースもありますので、仮に後継者のいない所長の事務所に転職できたとしても、必ずしも自分が承継できる保証は無いと思います。
所長の視点で考えると、自分が開業してから大切にしてきたお客さんやこれまで苦楽を共にした職員の方を、税理士の有資格者とはいえ、どんな方かも深くは理解できていないうちに全て承継するという約束をして採用することは考えにくいと思います。
少なくとも数年間一緒に仕事をして、この人になら承継しても良いと判断できたタイミングで、そのような話を打診されることが多いのではないでしょうか。
このようにそもそも後継者を前提とした求人は少ないですし、後継者が欲しいと思っている所長の事務所でも、実際に承継の打診をされるかどうかは非常に不確実です。あくまでも「経営の安定した会計事務所の所長になること」をゴールに置くなら、ご自身の独立を成功させるためのシナリオを真剣に描く方が、結果的には成功に近いのではないかと思います。