30代
profile 35歳、男性。税理士事務所に勤務。税理士資格を目指して勉強中だが、仕事の忙しさもあり、まだ科目合格できていない。 
Q
現在、小さい税理士事務所で働く35歳の男性です。当初は全科目受験での税理士5科目取得を
目指していましたが、試験の勉強がなかなか進まず、まだ1科目も合格できていません。

このタイミングでシングルマスターもしくはダブルマスターに切り替え、一部の科目を無試験で
5科目取得を視野に入れようかと思っています。

税理士事務所での勤務は10年以上になるため、実務経験が足りないとは思っていないのですが、
今後もっと大きな事務所に転職するにあたり、受験で全5科目を取得した人よりも採用の場面で
不利になったり、年収に差をつけられてしまったりすることはあるのでしょうか。

また転職後も「この人はダブルマスターだから…」と、実力が足りないといった見られ方をされて
しまうものでしょうか。そこは実務ができれば関係ないものなのでしょうか。
現在の事務所は規模が小さく、他に聞く人もおらず実例も知らないので教えてください。
 
A
まずここで簡単に、学位取得による税理士試験の免除について説明させていただきます。

試験制度の変更により、平成14年4月1日以降に大学院に進学した方は、税法・会計学いずれも1科目は自力で受験をして合格しなければならなくなりました。ダブルマスターと呼ばれるケースも、税法で1科目、会計学で1科目の2科目は自力で合格をしなければならず、完全に無試験で資格取得というわけにはいかなくなりました(修士課程を経て更に3年の博士課程に進めば無試験になりますが、税法・会計学で合計10年が必要となります)。

確かに「一部免除者は採用しない」という方針の事務所も存在しますが、多くの事務所は経験や知識・スキルを重視して採用しているように感じます。一方で小規模な事務所と大きな事務所の大きな違いはクライアント層の違いに現れることが多いです。

その結果、知識として求められるものが大きく異なる場合もあります。小規模な事務所で10年経験したことが大きな事務所において評価されるとは限らず、未経験として扱われることすらあるかもしれません。

そんな場合に税理士資格や、科目合格は威力を発揮することがあります。M&Aや相続の経験はなくても、相続税法に合格しているのであれば書類選考を通過する、といった具合です。完全に無試験とはいかないと思いますので、ご自身の方向性にあった試験科目の受験をご検討ください。 

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