連結財務諸表作成の仕事内容
どんなお仕事なの?
世の中にはたくさんの会社がありますが、誰もが知っているような有名な会社でも「あれこの会社、本業以外にもこんなことをやっているんだ」と思うことがあったりしますよね。
このような本業以外の事業、例えば電機メーカーが銀行をやっていたりしている場合、それはたいてい本体の会社の子会社や関連会社が運営しています。
このとき、その本体の会社のことを「親会社」と言い、その「親会社」と「親会社」が支配したり影響力を持ったりしている様々な事業を展開する子会社・関連会社とで形成される会社の集団を「企業グループ」と呼びます。
この「企業グループ」をひとつの会社のように見立てて、その「企業グループ」全体の財政状態や経営成績などをまとめる作業を「連結決算」と言い、それに際して作成されるのが「連結財務諸表」です。「連結財務諸表」の作成は金融商品取引法によって主に上場会社で子会社などを持つ全ての会社に義務付けられており、以下5つの書類を作成します。
・連結貸借対照表
・連結損益計算書
・連結株主資本等変動計算書
・連結キャッシュ・フロー計算書
・連結附属明細表
どんなスキルが必要?
貸借対照表や損益計算書に関しては、おおまかな形式や作成方法については日商簿記3級でも学習しますが、「連結財務諸表」の作成にはその他に「連結決算」独自の処理が必要とされます。
実務経験がないとなかなか難しいレベルの業務ですが、資格としては日商簿記1級や公認会計士の学習範囲で比較的詳しくこの「連結決算」について学びますので、知識としてこれらを勉強しているのも良いでしょう。
仕事のやりがい、厳しさなどは?
この「連結財務諸表」を作成するのは金融商品取引法の対象である上場会社が主となります。
その中には大きな「企業グループ」を構成するグローバル・カンパニーも少なくありませんので、そのような会社の開示する「連結財務諸表」については市場の注目度も高く、その内容如何では日本経済に少なからぬ影響を及ぼすこともあります。
ですので、この「連結財務諸表」の作成に関わる仕事についてもそれだけ責任は大きくなりますが、同時にそれは会社のためだけでなく社会一般に広く貢献できる仕事でもあると言うことが出来ます。
次のステップは?
「連結財務諸表」の作成は、経理の担当者レベルの業務としてはひとつのゴールとも言える仕事です。ここまでで一通りの経理業務は見てきていると考えられますので、その経験を活かして経理部門全体のマネジメントなどに進む段階になると思います。
またそれ以外にも、会社の中長期的な方向性を定めていく経営企画の業務などにもこれまでの経験を活かしていくことが出来るでしょう。