財務諸表等規則に基づく資料作成の仕事内容
どんなお仕事なの?
皆さん、「決算書」と聞いてどのような書類を思い浮かべますか?
簿記を学習したことのある方であれば、「貸借対照表」や「損益計算書」がまず出てくると思います。
実は一口に「決算書」と言ってもその元となる法律が2種類あり、それぞれが規定する「決算書」の内容も少し異なっています。
具体的には全ての会社が対象となる会社法で定めている「計算書類」と、主に上場会社が対象の金融商品取引法が定める「財務諸表」です。
このうち後者の「財務諸表」の形式や作成方法を詳しく定めているのが「財務諸表等規則」という法令であり、財務諸表等規則に基づく資料作成のお仕事はまさにこの法令に則った業務になります。
なお金融商品取引法で定める「財務諸表」は、以下の5つの書類を指します。
・貸借対照表
・損益計算書
・株主資本等変動計算書
・キャッシュ・フロー計算書
・附属明細表
上記のうち、「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」については会社法の規定する「計算書類」と共通するものですが、残りの2つが「財務諸表」独自の書類です。
特に会社の資金の状況を開示する「キャッシュ・フロー計算書」については昨今非常に重視されており、この書類の作成に関わる業務がとても重要になっています。
どんなスキルが必要?
貸借対照表や損益計算書に関しては、おおまかな形式や作成方法については日商簿記3級でも学習しますが、その他の書類については多くの方にとってはあまり馴染みがないかもしれません。
実務経験がないとなかなか難しいレベルの業務ですが、特に株主資本等変動計算書やキャッシュ・フロー計算書については日商簿記1級や税理士の会計科目(簿記論・財務諸表論)などの学習範囲となりますので、知識としてこれらを勉強しているのも良いでしょう。
仕事のやりがい、厳しさなどは?
前述の通り、「財務諸表」を作成するのは金融商品取引法の対象である上場会社が主となります。
上場企業にはその規模や社会的影響力の大きい会社も多く存在するため、その会社の開示する「財務諸表」についても注目度は高く、その内容如何では日本経済に少なからぬ影響を及ぼすこともあります。
ですので、この「財務諸表」の作成に関わる仕事についてもそれだけ責任は大きくなりますが、同時にそれは会社のためだけでなく社会一般に広く貢献できる仕事でもあると言うことが出来ます。
次のステップは?
連結子会社を持つ会社であれば、グループ全体をまとめた決算書である「連結財務諸表」の作成業務が次のステップとして考えられます。
また会社法による「計算書類」の作成業務も親和性の高い業務の一つになります。