履歴書の書き方
履歴書は、求職者自身の身元を明らかにする大切な書類です。職務経歴書に、いくら優秀な経歴が書かれていたとしても、企業側が身元が不明な人を社員として採用することはありません。
現在は、多くの企業がオンライン応募システムを導入しており、デジタル形式での履歴書提出が主流となっています。PDF形式での提出や、企業の応募フォームへの直接入力が一般的です。一部の企業では依然として紙の履歴書を求める場合もありますが、その際は丁寧な手書きまたは印刷したものを準備しましょう。
履歴書を準備しましょう
履歴書にはいろいろな種類のものがありますが、あくまで転職する際の履歴書ですから、「志望動機」の欄が大きめの履歴書を準備するとよろしいかと思います。デジタル履歴書の場合は、応募する企業のシステムに合わせて、適切なフォーマットを選択してください。
さっそく書いてみましょう
⑴基本的な作成ルール
- デジタル作成の場合:読みやすいフォント(明朝体、ゴシック体)を使用
- 手書きの場合:黒の万年筆・ボールペン・サインペンを使用
- 字の上手い下手は気にせず、丁寧に作成する
- 修正液・訂正印は使用しない(デジタルの場合は十分な校正を行う)
- できるだけ簡潔に書く
- 応募職種と関係のない資格は省く
- 趣味は面接時に話題になることが多いので、積極的に書く
- 写真は企業が求める場合のみ添付(スーツ着用、最新のもの)
⑵写真について
近年、多くの企業では履歴書への写真添付を必須としていません。企業が写真を求めていない場合は、添付する必要はありません。写真が必要な場合は、スーツを着用し、清潔感のある最新の写真を使用してください。
⑶退職理由について
「退職理由」についてですが、文章で書くと採用担当者に誤解を与える恐れがあります。「退職理由」は、書類審査が通り面接になった時点で直接口頭で伝えた方が確実に自分の思いを伝えられます。書類で長々と退職理由を書くより、履歴書には簡潔にまとめ、面接時に直接伝えた方が誤解を招くことがないでしょう。
また、口頭で伝えるのが苦手だ、自信がない、という方はお気軽にご相談ください。適切なアドバイスはもちろん、エージェントが代わりに答えることもできます。
履歴書作成の注意点
履歴書の書き方についてはいろいろな情報がありますが、作成時に気になる点がありますので、いくつか挙げてみます。
⑴学歴・職歴の欄
まずタイトルとして「学歴」や「職歴」と書かない方がいます。最初の行から**高校卒、**会社入社と羅列されているのです。ここは必ず、最初の行に「学歴」と書き、次の行から記入してください。
①学歴の記載開始時期
一般的には高等学校入学から記載しますが、大学進学者の場合は大学入学からの記載でも問題ありません。最終学歴が専門学校や大学院の場合は、その入学から記載してください。
よく「同校卒業」と書く人がいますが、これも必ずフルネームを繰り返してください。
職歴についても同様に書きますが、所属部署や配転まで書く人が目に付きます。これらは、職務経歴書に書くべきことです。**会社入社、**会社退社とシンプルに繰り返していくだけで良いのです。
②多様な働き方への対応
フリーランス、契約社員、派遣社員、リモートワークなどの経験がある場合は、雇用形態を明記し、職務経歴書で詳細を説明しましょう。
⑵免許・資格の欄
取得した全ての資格を書く方が多いのですが、募集要項とにらみ合わせてアピールするものだけ書いた方が良い場合が多いようです。例えば、経理系の募集なのに作業関係の資格など書いても余り意味がなく、むしろ本人のイメージを異なるものにしてしまうリスクがあります。
取得時期について
有効期限のある資格は有効期限を、継続的なスキルについては現在のレベルを重視します。古い資格でも現在実務で活用している場合は、特技欄や志望動機欄でそのレベル(実務での使用状況など)を具体的にアピールした方が効果的です。
⑶本人希望記入欄
希望職種は募集要項に合わせて記入してよいのですが、希望年収や残業なしなどは書かないほうがよろしいかと思います。「退職理由」と同じく、希望が書いてあると採用担当者がそれに縛られたり、誤解を招いたりする恐れがあります。希望は面接で聞かれる項目ですので履歴書には書かず、口頭で伝えるようにしましょう。
また、履歴欄に空白期間がある場合、この欄にその期間の状況など書いておけば判りやすくなります。
デジタル時代の履歴書作成のポイント
⑴ATS(応募者追跡システム)への対
多くの企業がATS(Applicant Tracking System)を導入しています。システムが読み取りやすいよう、以下の点に注意してください。
- シンプルなフォーマットを使用
- 画像化された文字は避ける
- キーワードを適切に含める
⑵オンライン応募での注意点
- ファイル名は「履歴書_氏名_日付」など分かりやすく設定
- PDFでの保存を推奨
- ファイルサイズは適切に調整(通常1-2MB以内)
⑶最終確認
書き終えたら、最終確認をしましょう。
- 日付は抜けていないか
- 写真は枠からはみ出していないか(写真添付の場合)
- 印鑑はまっすぐ押されているか(手書きの場合)
- 誤字脱字はないか
- デジタルの場合、フォーマットが崩れていないか
また、書類選考の際は、送付する前に履歴書をコピー(デジタルの場合はバックアップ)をしておきます。面接の前に自分で書いたことを見直し、面接に備えましょう。
プロフェッショナルSNSの活用
LinkedInなどのプロフェッショナルSNSは、海外では履歴書や職務経歴書に準じる役割を果たすことが一般的で、日本でも外資系企業やグローバル企業を中心に確認されることがあります。履歴書・職務経歴書との一貫性を意識してプロフィールを整え、必要に応じて活用すると効果的です。
ただし、日本国内の中小企業や伝統的な企業では、まだLinkedIn活用が必須とはいえず、利用度は業界や企業文化によって差があります。
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