金融の経理の職務経歴書の書き方とサンプル
書き方のポイント
キーワードの羅列にならないよう、職務内容に情報を補足する
経理職の職務経歴書で気を付けなければならないのが、決算、システム導入、金融庁対応といったキーワードの羅列に終わらないようにすることです。
例えばシステム導入というキーワードにとどまらず、その中で要件定義、データの移行作業、導入のプロジェクトリーダーなど、どういった業務に携わっていたのかが伝わるように記載するようにしましょう。
経理以外の業務についても記載する
金融業の場合は他業種に比べてローテーションが多く行われます。
場合によっては窓口や営業などの部門から経理に異動する事もありますが、こういった他部署での経験や、そこで挙げた実績などについてもプラス評価に繋がる事があります。営業部門であれば営業成績、特殊な金融商品に関わる業務、ファイナンスに関わるような業務など、金融業界固有の経験・知識を求められる事もありますので、こういった部分もしっかりと相手に伝わるような記載をするようにしましょう。
金融業界特有の経理業務経験について記載する
同じ経理という職種であっても他の事業会社には無い業務として、金融庁や日本銀行へのレポーティング業務や、業種によっては投資家に向けたレポーティング業務などがあります。
金融業界での経理ポジションについては、同じ金融業界出身の方を求める傾向が強くありますが、こういった業界固有の業務について即戦力として迎え入れられるかどうかが評価のポイントになります。例え主担当としての関わり方ではなくとも、異業種から転職をする方に比べて差別化の出来るポイントとなりますので、漏れずに記載するようにしましょう。
サンプル
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職務経歴書
20○○年○月○日現在
氏名 ○○○○
- 要約
- 入社後○年間は支店の配属となり、個人・法人に向けた融資業務を中心に携わっておりました。○年目からは主経部門へ異動となり、月次決算・年次決算の取りまとめ、金融庁や日本銀行向けの提出資料についてを幅広く任せて頂いております。
- 職務経歴
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○○○○銀行株式会社 (20○○年○月~現在) 東証一部上場 ポイント 会社の企業規模がわかるデータについて 上場区分は必須の情報です。
従業員数、資本金、売上高の情報がわかることによって企業規模がイメージしやすくなるため、正確な情報を記載します。
従業員:○○人 資本金:○○円 売上高:○○円
事業内容:預金業務、貸出業務、商品有価証券売買業務、内国為替業務、外国為替業務、社債受託および登録業務 等 ポイント 就業した会社の情報について 事業内容が記載されていることで、その業界について知識があるとアピールすることにもつながります。職務内容
20○○年○月~20○○年○月
<○○支店配属-支店長以下20名> ポイント 所属・職位について 所属していた支店や部門、グループ、その人数まで記載します。大きな会社ほど役職は細分化する傾向があり、その名称は会社によって異なりますので、役職がある場合はわかりやすく説明します。- 当初は内勤業務として窓口での預金・融資等の基本的な業務を習得 ポイント 業務へのかかわり方について どのような立場で業務とかかわったのかがわかるように補足しましょう。経理以外の業務の経験や、そこで挙げた実績などについてもプラス評価に繋がる事があるので、しっかり相手に伝わるよう記載しましょう。
- 渉外課配属となり個人・中小企業を約○○件担当
■実績
- 配属以降○年間個人目標に対して全て達成し、20○○年の地区表彰を受ける。
20○○年○月~20○○年○月
<主計部 経理グループ配属-部長以下8名>- 年次、月次決算業務における各科目取りまとめ
- 決算時の監査対応についての一次窓口
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金融庁、日本銀行への月次・四半期・年次報告書の作成 ポイント 金融業特有の業務について 金融業特有の業務を経験しているかどうかは、金融業界へ転職する上では大きなアピールになります。些細なことでも記載しましょう。
- 予算策定および予算実績管理の取りまとめ役として各部門との調整
- 経営陣向け月次報告書の作成
- 会計方針の策定および文書化業務の文案作成
- 会計システムの改修プロジェクト参画(10名のプロジェクトでのメンバー)
■実績
- 会計システムの改修に際し、俗人的な意見ではなく経理部門としての意見を取り纏め、その上で全社的に各部門とも調整を行う役割でプロジェクトを推進した。各部門の意思決定者への事前の調整作業などにより当初の計画通りに新バージョンのリリースを完了させた。
- 資格・免許・PCスキル
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- ・20○○年:日商簿記1級
- 20○○年:証券外務員一種
- 20○○年:TOEIC 850点
- Word、Excel、PowerPoint
- 自己PR
- 当初の配属が支店であった事から、現場での実務について自ら経験した事が現在の経理業務を行う上でも活かせていると思っております。具体的には会計システムの改修についても経理部門としての要求のみではなく現場の業務フローを踏まえた上での改修案を作成した事で、部門間の調整業務が最低限に抑えられました。こういった経験から各部門とのコミュニケーションは現在も常に意識して行っており、各部門における課題などについてもいち早く察知する事が出来ております。
現在社内ローテーションにより他部門への異動の内示が出ておりますが、今後も経理をコアスキルにキャリアを積んで行きたいと思っております。