上場企業の経理の職務経歴書の書き方とサンプル
書き方のポイント
上場企業ならではの業務について詳細に
有価証券報告書・決算短信作成といった上場企業特有の業務経験は、採用側が注目するポイントになります。有価証券報告書の作成一つをとっても、部分的にかかわっていた場合や、取りまとめをしていた場合などかかわり方はさまざまです。
例えば「従業員の状況」や「会社の対処すべき課題」などについて、経理が主幹となって各部署と調整しながら完成させていたのなら、それらを明記することでスキルをアピールできます。
日常経理にとどまらず、月次で管理会計を行うことも上場企業に多い業務です。専門の部署で行うこともありますが、経理の部署で担当していたなら記載しましょう。
ルーチンの業務以外で工夫したことが評価される
経理にはルーチンワークが多いため、ルーチン以外の仕事に取り組んだ実績は、上場企業特有の業務でなくても、他の応募者と差を付けられる大事なポイント。
「長く使われていた報告書を改善し、見やすくなったと上司から評価された」「売掛債権が滞留していたが、管理を工夫したことで回収が○日以上早まった」といった経験があれば、どんな小さなことでもかまいませんので記載しましょう。このときも「○日短縮された」「業務量が○%減った」というように、数字で表現すると説得力が出ます。
また上場企業では、大規模な株主総会や決算説明会を開催する際に、想定問答集を作成することも。これらの準備に携わったことなども忘れずに記載してください。
補助的にでも大きな事業にかかわった経験も忘れずに
近年、高く評価される傾向にあるのが、M&Aなど専門性のある業務の経験です。
会社がM&Aなど組織再編に取り組む際に、プロジェクトの主導は事業開発や経営企画の部署である場合でも、経理部が事前の調査に加わることがあります。
当時は自分がビッグプロジェクに関与したという意識はなくても、実はそのプロジェクトに携わっていることもあり得ます。上司からそれらに関する資料集めなどを依頼されたことがなかったか思い出してみてください。
サンプル
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職務経歴書
20○○年○月○日現在
氏名 ○○○○
- 要約
- 入社後○○年間は経理部門に所属し、日常的な経理業務を中心に月次決算の取りまとめなどを行っておりました。○○年目からは単体・連結決算の取りまとめ、有価証券報告書や決算短信などの外部開示資料作成、監査法人との窓口などを幅広く任せて頂いております。
- 職務経歴
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○○○○株式会社 (20○○年○月~現在)東証一部上場 ポイント 就業した会社の情報について 上場区分は必須の情報です。また、事業内容が記載されていることで、その業界について知識があるとアピールすることにもつながります。
従業員:○○人 資本金:○○円 売上高:○○円 ポイント 会社の企業規模がわかるデータについて 従業員数、資本金、売上高の情報がわかることによって企業規模がイメージしやすくなるため、正確な情報を記載します。
事業内容:精密機器の製造・販売職務内容
20○○年○月~20○○年○月
<管理部 経理グループ配属-部長以下○○名> ポイント 所属・職位について 所属していた部門やグループ、その人数まで記載します。大きな会社ほど役職は細分化する傾向があり、その名称は会社によって異なりますので、役職がある場合はわかりやすく説明します。- 単体・連結決算業務
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四半期・年次決算時の監査法人対応ポイント ポイント 経理以外にかかわった業務について 監査法人対応も上場企業ならではの業務です。窓口となって外部の方とのやり取りを任されていた場合は、対応した内容を記します。
- CF計算書作成、資金繰り管理
- 海外子会社○○社のチェックおよび指導
- 法人税申告書作成業務および税理士対応
- 外部開示資料作成(有価証券報告書・決算短信)
- 予算策定の取りまとめ、予実管理
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グループ会社含め○○名のマネジメント実施 ポイント 業務へのかかわり方について たとえ小さなチームでも、マネジメントの実績があれば大きなアピールになります。マネジメントした人数も含めて記載してください。
■実績
- 海外子会社の決算確定に非常に時間が掛かっておりましたが、約○ヶ月間現地に常駐し、業務フローの把握・改善を行い○○営業日ほど決算確定までの時間を短縮出来ました。
- 日々の改善や提案を繰り返し行っていたところ、20○○年に管理部門系職種としては唯一の社長賞を獲得致しました。
- 資格・免許・PCスキル
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- 日商簿記1級合格
- 公認会計士短答式試験合格
- Word、Excel、PowerPoint
- 自己PR
- 部門を超えたプロジェクトに数多く参画出来た事で、他部署との連携や他者を巻き込んだ仕事の進め方などが身に着きました。基幹システムの導入やIFRSの導入検討にも経理部門の代表として参画し、無事に基幹システムの導入に至りました。
現在は経理の通常業務と並行して基幹システム運用上の各種課題を解決しております。こういった経験を活かし、今後は管理職として担当部門のマネジメントについても任せて頂けるような人材を目指して参ります。