外資系企業の経理の職務経歴書の書き方とサンプル
書き方のポイント
キーワードの羅列にならないよう、職務内容に情報を補足する
外資系企業での経理経験を職務経歴書に記載する際に気を付けなければならないのが、AP、AR、G/Lといったキーワードの羅列に終わらないようにすることです。
例えばAPというキーワードにとどまらず、支払管理全般を任されていたのか、上司のサポートで入力業務を中心に行っていたのか、どういった形でAPに携わっていたのかが伝わるように記載するようにしましょう。
ルーチンの業務以外で工夫したことが評価される
経理の仕事は多くがルーチンワークであるため、それ以外に取り組んだ実績は、他の応募者と差を付けられる大事なポイント。「長く使われていた報告書を改善し、見やすくなったと上司から評価された」「売掛債権が滞留していたが、管理を工夫したことで回収が○日以上早まった」といった経験があれば、どんな小さなことでもかまいませんので記載しましょう。このときも「○日短縮された」「業務量が○%減った」というように、数字で表現すると説得力が出ます。
どのような場面で英語を使用していたのかを記載する
外資系企業であれば何らかの形で必ず本国へのレポーティングを行っているはずです。決算や四半期、月次といったタイミングで各種レポートの提出を行う際にメール・電話で英語による報告を行っていたことや、本国社員が来日する際のアテンド、自身の出張・赴任経験など、どのような場面でどのぐらいの頻度で英語を使用していたのかが伝わるように記載します。
実際に実務で使用した事が無い場合でも、勉強をしたことや留学経験など、英語力向上のために取り組んで来た内容や英語のレベルが伝わるような書き方を意識しましょう。
サンプル
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職務経歴書
20○○年○月○日現在
氏名 ○○○○
- 要約
- 入社後○年間は経理部門に所属し、日常的な現預金の管理から売掛債権の管理、支払い業務などを行っておりました。○年目からは他のメンバーが行う作業のチェック業務や月次決算・年次決算の取りまとめ、海外CFOとの窓口などを幅広く任せて頂いております。
- 職務経歴
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○○○○株式会社 (20○○年○月~現在)
従業員:○○人 資本金:○○円 売上高:○○円 ポイント 会社の企業規模がわかるデータについて 従業員数、資本金、売上高の情報がわかることによって企業規模がイメージしやすくなるため、正確な情報を記載します。
事業内容:精密機器の輸入・販売 ポイント 就業した会社の情報について 事業内容が記載されていることで、その業界について知識があるとアピールすることにもつながります。親会社がどの国なのかも記載しておくと良いでしょう。職務内容
20○○年○月~20○○年○月
<管理部 経理グループ配属-部長以下4名> ポイント 所属・職位について 所属していた部門やグループ、その人数まで記載します。大きな会社ほど役職は細分化する傾向があり、その名称は会社によって異なりますので、役職がある場合はわかりやすく説明します。- 債権債務データ(SAP)との照合業務
- 年次、月次決算報告(財務諸表精査)
- 決算時の会計士対応
- CF管理(月次・年次資金管理)
- 銀行対応(財務内容報告、資金借入返済手続き等)
- 月次・四半期・年次決算時の各種レポーティング業務
- 消費税および法人税申告書作成業務
- 予算策定および予算実績管理の取りまとめ
- 年2回の本国CFO来日アテンド兼通訳業務
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3名のマネジメント実施 ポイント 業務へのかかわり方について どのような立場で業務とかかわったのかがわかるように補足しましょう。また、どのような場面で語学を使用した業務を行っていたのかも伝わるように記載します。
マネジメントについては、たとえ小さなチームでも、実績があれば大きなアピールになります。マネジメントした人数も含めて記載してください。
■実績
- 従来国内に税務のわかる担当が不在であったため、税務に関しては完全に外部委託をしていたのですが、本国からの要求に対してタイムラグが発生してしまう事から、自身の提案をきっかけに税務についても内制化をする流れとなり、各種税務申告書の作成を任せて頂くこととなりました。
- 資格・免許・PCスキル
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- ・USCPA3科目合格
20○○年:FAR、BEC 合格
20○○年:AUD 合格- 20○○年:TOEIC 850点
- Word、Excel、PowerPoint
- 自己PR
- 本国からタイトなスケジュールで様々な指示が来る環境でしたが、チームのメンバーへの業務分担を含め、スケジュール管理やメンバー管理について意識をして業務を行い、決して納期に遅れるようなこと無く業務を行って参りました。
予算策定時には本国側の意向を汲みつつ、国内各現場部門とのヒアリングを重ねるなど調整役としてスムーズに取り纏めを行うことが出来ました。その結果、実績とも大きなギャップが無い予算策定が出来ており、本国のCFOからも一定の評価を頂いておりました。
現職では英語を使用する場面が限定的であるため、より語学力を活かせる環境で自己研鑽を続けて参りたいと思います。