公認会計士の資格取得を諦めて就職を決意
M.Sさん20代男性
転職前
- 勤務先無職(公認会計士試験勉強中)
- 職 種――
- 年 収――
転職後
- 勤務先専門商社
- 職 種経理
- 年 収280万円
Sさんは大学在学中から簿記と会計の勉強を始め、卒業後は就職せずに公認会計士の資格取得を目指して勉強を続けていました。しかし卒業から1年半が経過したころ、Sさんの中で勉強を継続するか、それとも資格取得を諦めて就職するべきか、迷いが生じ始めていました。そしてどちらを選ぶか決めかねたまま、とりあえず求人に関する情報を得るために当社に登録されました。
「勉強を続けること」と「就職すること」のどちらを選ぶかに、正解はありません。私は、Sさんと一緒に、勉強の進捗状況や抱いている将来に対する不安や悩みについて整理することから始めました。次に、Sさんの就職における状況について、今のタイミングであれば第2新卒と同様の扱いで迎え入れてくれる会社も皆無ではないことを伝えました。その後、面談や電話で何度か相談に乗る中で、Sさんは「就職すること」を決断しました。
ここで大切なのは、覚悟を決めることです。どっちつかずの状態ですと、就職活動がうまくいかないと勉強に逃げ、勉強がうまくいかないと就職に逃げるということになりかねないからです。
Sさんは社会人未経験だったため応募できる求人は非常に限られていました。当時私が担当していた会社の一つに、生活関連用品の専門商社があり、同社では、経理経験が3~5年程度で30歳前後の人材を募集していました。この企業は、私から条件に合った人材を何人も紹介していましたが、採用には至っていませんでした。先方の経理部長に不採用の理由をお尋ねすると、「確かに経験はあるのだが、何か任せられない感じがする」とのことでした。また、同社の求人は、契約社員としてスタートするという条件を設定していたため、求人サイトに求人を出しても応募者が少ないようでした。
私はチャンスと捉え、経理部長にこう切り出しました。「経験者の中に良い人がいないのなら、ご自身で育てる気はありませんか」と。そして、Sさんのことを紹介したのです。
私の提案は、経理部長の琴線に触れたようで、「なるほど、育てるか。それもいいね」とSさんの面接を引き受けてくれました。
同社は上場しており、公認会計士を目指していたSさんにとっては願ってもない就職先です。上場企業の経理職は、監査に訪れる監査法人の公認会計士と渡り合うことが求められ、連結決算や原価計算、開示業務などもあり、Sさんがこれまで公認会計士試験受験で勉強してきた会計知識を活かすこともできます。
Sさんは、経理未経験者であったため、スキル面で強みをアピールすることはできません。そこで、面接対策として、経理部長が知りたがっている「Sさんの意欲」を見せることを主軸に据えました。Sさんには、「私は○○ができます」といったことを無理に言う必要はなく、同社でどのように成長していきたいか、素直な気持ちを伝えるようにアドバイスしました。
Sさんは、無事就職することができました。上場企業の経理のレベルの高さに戸惑い、壁にぶつかることも多いようですが、壁を一つずつ乗り越え、プロフェッショナルの経理へと育っていくことを願っています。
大学卒業後、商社系の旅行会社に入社し、商社の旅行の手配や新店舗の立ち上げに従事。その後、大手の資格系の学校で、資格やその勉強で得た知識を活かした就職や転職支援業務に携わる。会計や監査法人業界に詳しく、多くの会計事務所や税理士法人との太いパイプを構築してきた。信頼関係を築くことからコンサルティングを開始し、その人の志向性や素養に合致したさまざまな提案を行うのが信条。趣味は鉄道旅行。
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