資金収支、残高管理の仕事内容
どんなお仕事なの?
会社の資金は日々の取引で常に変動しています。
たとえ業績が順調であっても、入金のタイミングが遅くなったり急な支払いが発生したりすると、一時的に資金が不足することもあります。
資金収支・残高管理のお仕事では、そのような事態が発生することを未然に防ぐため、毎月の資金の収入と支出を把握し、必要な時に手当てできるよう様々な調整を行います。これは一般的に「資金繰り」とも呼ばれています。
この資金繰りは、現預金を中心に資金の動きを月次で読み取る「資金繰り表」を作成して行います。
資金繰り表は、通常3カ月くらい先までの収入、支出および残高を予測してまとめます。
月中、特定の日に支払いが集中する場合などは、1日単位で見る「日繰り表」を作成することもあります。これらの管理表では売上、仕入関連や給料のほか、大きな支払いがある取引(税金や設備購入など)も折込み、現預金の予想残高が不足しないように監視します。
もし資金の不足が発生しそうな場合には、銀行からの新規の借り入れや手形の割引などの対策を講じることになります。
どんなスキルが必要?
資金不足を手当てするために自社ではどのような方策が考えられるのか、そしてその中でどの手段が最も適しているのか、そういった判断が求められる仕事であるため、いわゆる「財務」の知識が必要とされます。
また、先々の収支を把握するためには、社内でどんなプロジェクトが進行しているかなどについても常にアンテナを張っておく必要があり、普段から様々な部署の人と円滑にコミュニケーションがとれていなければなりません。
さらに借り入れが必要な場合などには銀行と折衝することもあるので、交渉力についても求められる仕事であると言えます。
仕事のやりがい、厳しさなどは?
資金は会社にとってはまさに「血液」であり、なくてはならないものです。
収入と支出のタイミングのずれなどで一時的にせよ残高が不足して支払いができなくなると、最悪の場合そのまま倒産に至ってしまう危険性もあります。
特に資金力の弱い会社であるほど、資金収支・残高管理の担当者の責任は重大になります。
しかしその責任は同時に「自分が会社を支えている屋台骨だ」と実感できる大きなやりがいにもなります。経理・財務の仕事の中でも特に社内で重要なポジションとされることが多い業務ですので、より高い意識を持って取り組んでいきましょう。
次のステップは?
予算の策定などいわゆる経営企画の業務が次のステップとしてふさわしいと考えられます。
すでに作られている経営計画から資金の調整を行う立場から、その計画自体を策定する側になり、より経営の中枢に携われることになります。