社会保険関連の解説

社会保険制度と転職・退職について

社会保険とは、医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労働者災害補償保険などの総称で社会保障制度の中核をなすものです。
民間企業に所属する人は医療保険のうちの健康保険に所属することになっており、所定の保険料を月々給料から天引きで納付しています。 また労働者災害補償保険は事業主・会社が保険料を全額負担するようになっています。(法人事務所と5人以上の従業員がいる事務所は強制適用となる)
私たちが転職や退職する際、これらの社会保険制度に対してどのような手続きが必要なのでしょうか。また雇用保険の支給などにはどのような手続きが必要なのでしょうか。

国民保険への切り替え

日本は国民皆保険となっていますので、社会保険の資格を喪失すれば自動的に国民健康保険に切り替えられることになります。ただし退職時に次の就職先が決まっており、すぐに新たな社会保険資格を取得すれば国民健康保険料がかからない場合があります。
国民健康保険は社会保険資格喪失後14日以内に住所地の市区町村の窓口で加入手続きが義務付けられています。ちなみに社会保険の場合、「その月の月末にその会社に在籍しているかどうか」でその月の保険料を支払うかどうかが決定します。

社会保険の任意継続について

社会保険には「任意継続」という制度があります。これは、2ヶ月以上社会保険に加入していた人が退職後20日以内に申請した場合に限り、 2年を上限に社会保険に継続して加入し続けることができるという制度です。 ただし今までは会社が負担していた保険料も自分が全額負担することになりますので、在職時に負担していた額の2倍相当になる可能性が高いでしょう。 (保険料の上限が定められているので給料の額によってはもっと安めにできる可能性もありますが)
よく「任意継続と国民保険ではどちらの保険料が安いか?」という質問がありますが、これはケースバイケースで個別に計算してみないと一概に言えません。
ただし、国民保険と社会保険では被扶養者の考え方が違います。国民保険にはそもそも「扶養」という考え方がなく、 1世帯あたり国民健康保険加入者が何人いるかで保険料が変わってきます。
「どちらの保険料が安いか?」で任意継続と国民保険を選択しようという方は あらかじめ市区町村の役場などで国民保険料を試算してもらい、任意継続の場合と比較してみる必要があります。 ただし退職後20日を経過してしまうと任意継続の申請は認められませんので、退職前にあらかじめ試算しておきましょう。

雇用保険の手続き

会社を退職後、次の就職先が決まっていない場合は住居の管轄のハローワークで次のような手続きが必要です。 退職後、会社から「雇用保険被保険者離職票(1と2)」が送られてきます。これに雇用保険被保険者証 (会社か自分のどちらかが保管しているはず。会社が保管していた場合は退職時に渡されるはずです)を添え、 運転免許証や住基カードなどの身分証明書、写真2枚(証明写真用)、失業手当が振り込まれる預金通帳と通帳印を持ち、 「求職の申し込み」をします。その後引き続いて失業給付の手続きの案内があります。

雇用保険の「自己都合と会社都合」について

会社を退職する際、退職理由は失業保険に重大な影響を与えます。次の転職先が決まっている人は失業保険をもらうことはないでしょうが、万が一採用が取り消しになったような場合も考え、雇用保険に対しては慎重な手続きを進めましょう。
まず、退職理由は「自己都合」と「会社都合」に大別されていますが、会社都合とは

(1) 倒産または事業の縮小・廃止などで離職を余儀なくされた場合
(2) 自分の重大な責めによる理由を除く解雇・厚生労働省令で定める理由に該当する離職理由

に属するもので、これ以外の退職理由が自己都合ということになります。
会社都合による退職の際、失業保険には6ヵ月加入しているだけで受給が可能になり、また所定の給付日数上積措置もあります。
これに対し、自己都合の場合は12ヶ月以上加入していないと失業手当は受給できず、さらにハローワークで手続きをしても3ヵ月の給付制限を課せられるため、 支給開始は4ヶ月後になってしまいます。
なお、リストラなど事実上は会社の都合による解雇の場合でも、「離職票に『会社都合による解雇』と書くと再就職に不利になるから」などと 自己都合による退職を申告するよう促されることがありますが、自分に落ち度があっての離職ではない限り、離職票に「解雇」と書かれていても別段不利にはなりません。

会計、税理、経理・財務分野の転職に強いジャスネットキャリア。プロのエージェントが転職を無料でサポート致します。
経理会計の転職に特化した無料転職サポートに申し込む

↑ PAGE TOP