S.H
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大学卒業後、大手印刷会社に入社。管理部門で予算作成、粗利管理、原価計算プロジェクトに携わった後、経理部で売掛金管理を担当。その後、編集者に転身し、会計・税務分野の雑誌、書籍など100冊以上を制作。
2016年よりジャスネットにて、Webコンテンツを中心に担当。経理パーソン、公認会計士、税理士など、多くの会計・税務分野で働く方々への取材を通じて、現場の声を届ける記事を1,500件以上制作してきた。経理実務と取材経験の両面から、経理職のキャリア支援に携わっている。
原点は「人の話を聞き、魅力を言葉にすること」
東京の下北沢で生まれ、家の近くに小さなライブハウスがたくさんあるような環境だったので、中学生くらいから音楽好きに育ちました。学生時代は、音楽雑誌を作るサークルに熱中。取材や編集、イベント運営などに取り組む中で、「人の話を聞き、その人の魅力を言葉にすること」の面白さを知ったことが、後の編集者としての原点になっています。
もともとは音楽や出版に関わる仕事を志望していましたが、当時は就職氷河期の真っただ中。希望する業界への就職は、なかなか叶いません。
それでも、自分の興味に少しでも近い仕事はないかと考え、印刷会社であれば出版社とも関わる機会があるのではないかと思い、印刷業界を志望。今にして思えば少し甘い目論見だったかもしれませんが、ご縁があり、業界最大手の一社に採用していただくことができました。
予想外の配属から始まった、管理会計・経理の仕事
入社後の配属面談で「営業以外にも、経営に近いところで働くことに興味がある」と伝えたところ、配属先は商業印刷事業部の管理部でした。経営企画に近い役割を担う部門です。経済学部卒で、日商簿記3級を持っていたことも理由の一つだったのかもしれません。
自分では営業部門に配属されるものと思っていたため、かなり予想外のスタートです。それでも、上司から「まずは3年頑張ってみろ」と言われ、まずは目の前の仕事に向き合うことにしました。
商業印刷の仕事は、ポスターやパンフレット、カタログなど、案件ごとに内容も規模も異なります。そのため、それぞれの仕事でどのくらい利益が出ているのかを把握するのが非常に難しい。多種多様な商品の利益を可視化することが、当時の大きなテーマでした。
来る日も来る日も原価計算に向き合い、数年かけてシステムが完成。軌道に乗ったところで管理部は解散し、その後は経理部で売掛金管理を担当することになりました。
規模の大きな会社だったため、担当社数は100社以上。月に数千件の処理を担当することもあり、業務量はかなり多い職場です。正確性が求められる一方で、締め切りにも追われる。経理の現場ならではの緊張感を、身をもって経験しました。
自分自身も、転職に悩んだ経験がある
30歳を超えたあたりから、経理の仕事を本当に好きで続けている人と自分を比べ、自分の立ち位置を考えるようになります。
もちろん、経理の仕事から学んだことは非常に多く、今でも大切な経験です。一方で、学生時代から関心のあった出版・編集の仕事への思いも捨てきれません。悩んだ末、全くの未経験ながら編集の世界へ転職することを決めました。
ただ、未経験から出版・編集関係の仕事に転職するのは、簡単ではありません。
当時は転職エージェントを使うという発想もなく、ハローワークや求人広告を見ながら、自分で応募する日々が続きます。
ある小さな出版社に面接に行った際には、その場で履歴書を確認され、「あなたの経歴では難しいですね」と言われ、面接がすぐに終わってしまったこともありました。
やる気はあるのに、企業側が求めている人物像やスキルと、自分の経験がうまく合わない。そのもどかしさを、何度も感じています。
だからこそ今は、転職には求人票だけでは分からない情報が必要だと考えています。求職者の経験や人柄、仕事への向き合い方と、企業が本当に求めている人物像を丁寧にすり合わせることが大切です。
小さな編集プロダクションで学んだ、組織との相性
ようやく採用されたのは、社長と社員を含めて4名ほどの小さな編集プロダクションです。マンションの一室がオフィスで、1万人規模の大手企業からの転職だったこともあり、職場環境の違いには大きなカルチャーギャップがありました。
大きな規模の会社では役割や業務範囲がある程度決まっている一方で、少人数の会社では一人ひとりが幅広い業務を担います。仕事の進め方、人間関係、意思決定のスピード、任される範囲など、会社の規模によって日々の働き方は大きく変わる。そのことを強く実感した経験です。
私の場合はかなり極端な転職例だったかもしれません。ただ、この経験を通じて、企業規模や組織風土が働きやすさに大きく関わることを知りました。
「上場企業だからよい」「有名企業だから安心」ということだけで転職先を選ぶと、実際の働き方や企業風土と合わず、入社後に苦しくなってしまうケースもあります。大切なのは、会社の規模や知名度だけで判断するのではなく、自分がどのような環境で力を発揮しやすいのかを見極めることです。
会計・税務分野の編集者として、現場の声に触れてきた
編集プロダクションでは、インタビューの仕方、原稿作成、編集の基礎など、編集業務の基本をゼロから学びました。
その後、20代で経験した経理の知識を活かせる編集者になりたいと考え、会計・税務分野の出版社へ転職。
その出版社では、税務や会計士受験生向けの雑誌・書籍の企画制作を担当します。雑誌では編集長も務め、書籍については企画立案から著者の開拓、社内プレゼン、制作、出版後の売り上げまで、自分で責任を持って進めていました。
書籍の企画は、月に1回、上層部へプレゼンを行い、「売れる」と判断されれば出版が許可される仕組みです。常に「世の中ではどのような情報が求められているのか」「読者にとって本当に役立つテーマは何か」を考え続ける必要があり、ニーズを捉えて企画化する力は、この時期に大きく鍛えられました。
また、企画のネタ探しを通じて、人づての紹介や独自の開拓、士業交流会などで、多くの税理士・公認会計士の方々と知り合うことができました。書籍化をお手伝いした先生方の中には、現在もジャスネットでコラムを連載してくださっている方もいます。
ジャスネットで、経理・会計人材に向けた情報発信を担当
ジャスネットへの転職も、書籍制作がきっかけです。担当編集者として、ジャスネットの持ち込み企画である書籍を何冊か担当する中で関係が深まり、「Web記事を制作できる人を探しているので、来ないか」と声をかけていただきました。これが、ジャスネットとのご縁です。 以来、約10年にわたり、ジャスネットでWebコンテンツの制作を担っています。
経理で働く方々、公認会計士、税理士の方々を対象にした実務やスキルアップに役立つWebコラムをはじめ、実際にジャスネットで転職した方の事例を紹介する【転職事例】、経理の転職に関するさまざまな悩みに応える【転職Q&A】、雑誌『アカウンタンツマガジン』など、多くの記事を手掛けています。
特に、経理の転職Q&Aでは、700以上の質問を蓄積。経理としてキャリアアップしたい方、未経験から経理を目指す方、年齢やスキルに不安を感じている方、働き方を見直したい方など、さまざまな悩みに向き合ってきました。
現場で働く方の言葉の中には、表面的な情報だけではわからない悩みや工夫、キャリアのヒントが詰まっています。そうした声に触れてきたことは、転職支援においても大きな財産になっています。
エージェントとして寄り添えること
エージェントとしての私の強みは、まず「経理の実務と苦労を知っている」点にあります。
売掛金管理や管理会計、原価計算に関わる業務を経験してきたからこそ、経理の仕事は単に数字を扱うだけではないと感じています。正確性、責任感、社内外との調整、締め切りへの対応など、現場で求められる力は多岐にわたります。
また、長い間、会計・税務分野の編集者として、多くの経理パーソン、公認会計士、税理士の方々に取材した上で記事を制作し、その中で、経理として働く方が抱えるキャリアの悩みや、会社ごとに求められる役割の違い、働き方への不安にも数多く触れてきました。
経理の転職では、同じ「経理」という職種であっても、会社によって仕事内容や期待される役割が大きく異なります。日常経理を中心に担当するのか、決算まで関わるのか、管理会計や経営企画に近い役割を担うのか。
さらに、上場企業、非上場企業、ベンチャー企業、会計事務所など、組織の種類によって働き方にも違いがあります。
だからこそ、単に求人をご紹介するだけではなく、
「これまでの経験をどう活かせるのか」
「どのような環境であれば力を発揮しやすいのか」
「今後、どのようなキャリアを築いていきたいのか」
を一緒に整理していきます。そのうえで、その方にとって納得できる転職先を共に考えます。
転職は、条件だけで決めるものではありません。もちろん年収や勤務地、働き方も大切です。ただ、それと同じくらい、自分の経験が活かせるか、無理なく働き続けられるか、次のキャリアにつながるかも大きなポイントになります。
これまで積み重ねてきた経験や価値観を丁寧におうかがいしながら、その方が納得して選べる転職を、一緒に考えていきたいと思っています。
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