グループ会社の現場メンバーと一体になり、総合エンタテインメント事業を数字で支えていく
私は中学生の頃から熱心なアニメ好きでした。数字が苦手な根っからの文系人間だったので、大学で進学したのは文学部。就職に際し、やはりアニメを仕事にしたかったのですが、当時はリーマンショック直後の就職氷河期です。「夢ばかりは見ていられない」と考え、ゼネコンに入社しました。ここでは総務課に配属され、実務を通して建設業経理の勉強や、工場会計、固定資産の減価償却など経理に近い分野の知識を身につけました。そして、ビジネスを数字で支える経理、管理部門の仕事の面白さを体感することができました。
約2年の勤務後、一念発起して転職し、念願のアニメ制作スタジオに入社します。その会社はいくつかのグループ会社を持つ会社だったのですが、前職での経験を評価され、子会社の管理業務をまるまる担当することになりました。職場のレイアウト変更から人材採用、社労士とのやり取りに資金繰りまですべてです。現職で従事している経理部門の仕事の基礎はここで学びました。ただ、この会社でやっていた会計は、古典的な「ペン&ペーパー」です。顧問税理士に見てもらいながらの帳簿の記帳ではノートに勘定科目のスタンプを押し、ボールペンで数字を記入していく。今取り組んでいるような、システム化された経理とはまったく無縁でした。