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11/30 3月決算法人の中間(予定)申告(原則年一回)

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法人の中間(予定)申告は原則年一回

今回は、法人(会社)の中間(予定)申告について取り上げます。法人の中間(予定)申告は確定申告と密接に関連しているので、両者の関係を理解してください。法人税等については原則として年に一回、中間(予定)申告納付することになります。
※消費税については後述いたします
※以下では消費税の課税事業者である一年決算法人を前提とします

法人の中間(予定)申告の詳細

法人の納めるべき税金で、法人税をはじめとする所得に対して課される税金については、中間申告不要の法人を除き、その事業年度開始後6ヶ月を経過した日から2ヶ月以内に税務署長等に対して申告書を提出し、その申告書に記載した法人税等をその申告書の提出期限までに納付しなければなりません(一部例外となる税目及び法人はあります)。
これは、当事業年度の税額の一部を前もって納付しておくものです。なお、中間申告納付の方法には3パターンがあります。

①予定申告(前事業年度の税額に基づく方法)
前事業年度の税額÷前事業年度の月数×6
(例)前事業年度の確定法人税額:28,913,300円  前事業年度の月数:12ヶ月の場合 28,913,300円÷12×6=14,456,649円→14,456,600円(100円未満切り捨て)

※必ず「割り→掛け」の順序で行ってください(国税・法人税の場合)。端数処理の関係で「掛け→割り」でやると税額がずれます。なおこの場合の法人税の予定申告書は資料1のとおりです。前期の税額のみで計算できるので、書式がシンプルです。

資料1)予定申告書

資料1

②仮決算(通常の確定申告納付と同様の計算をします)
当該事業年度開始の日から6ヶ月の期間の所得×税率
通常の決算と作業は同じですので、大変手間がかかります。ただし、前期は所得が多かったにもかかわらず、今期の業績が芳しくなく資金繰りも苦しい場合は、あえて中間決算を行うことによって、中間納付額を低く抑える、または払わないことを選択することがあります。

③みなし申告
期限までに申告納付しなかった場合には①の申告があったものとみなし、その税額を納付しなければなりません。つまり①の税額の納付さえすれば、申告はしなくても特に罰則はない、ということです。このため実務上は中間申告納付を①の税額の納付のみとしている法人も少なくありません。

消費税の中間申告について

消費税の中間申告については、法人税の中間申告と少し違います。法人税が所得に課される税金であるのに対して、消費税は「預かり金的性格が強い税金」です。例えば110円で商品を販売した場合、会社の取り分は本体価格である100円、消費税分の10円は本来納付すべき最終消費者から会社が預かっている、という考え方になります。この考えに基づき、事業者の運用益の排除及び国税の財政収入の確保という観点から、前述した法人税中間申告納付の「②仮決算」と同様に仮決算に基づいて中間申告納付する以外にも、直前の事業年度の税額による以下の種類の中間申告納付の制度が設けられています。

なお、現行の消費税の標準税率は10%ですが、細かく分けると国税である「消費税」部分7.8%と「地方消費税」の2.2%となります。また、軽減税率8%については、国税の部分が6.24%、「地方消費税」が1.76%となっています。以下の税額はこのうちの国税にあたる部分の金額です。

(1)直前の事業年度の確定消費税額(国税)が48万円超400万円以下の場合
…中間申告は年1回(半年ごとの申告)

(2)直前の事業年度の確定消費税額(国税)が400万円超4,800万円以下の場合
…中間申告は年3回(3ヶ月ごとの申告)

(3)直前の事業年度の確定消費税額(国税)が4,800万円超の場合
…中間申告は年11回(毎月の申告)

なお既述の法人税等の中間申告と同様、期限までに中間申告書を提出しなかった場合、中間申告書の提出があったものとみなして、直前の事業年度の税額により計算された税額を納付することとなります。

※国税庁のHPに詳細がありますので参照してください
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6609.htm

資料2)消費税及び地方消費税の中間申告書

資料2

中間申告が不要となる場合について

1年決算法人を前提に話を進めてきましたが、法規上は法人の事業年度(会計年度)は1年以内であれば任意で選定できます。例えば会計期間が6ヶ月の会社と比較した場合、会計期間が1年の会社では確定申告で納付することになる金額をより長く運用して金利収入を得ることができますし、国税の財政収入の平均化も確保されません。

そこで中間申告納付の制度を用意しているのですが、納付税額が少ない場合には事務手続きの煩雑さや徴税コストを考慮すると、一律に中間申告納付を要求することは現実的ではありません。そこで以下の場合には、中間申告納付は不要として確定申告時に申告納付を完了するようにしています。

(1)利益にともなって発生する税金(法人税、法人県民税・事業税等、法人市民税)
直前の事業年度の確定法人税額が20万円以下の場合は、中間申告納付は不要です。なお、その他の法人県民税等についてもこの判定基準に従い、法人税の中間申告納付が不要であれば同様に中間申告納付は不要となります。

(2)消費税
直前の事業年度の確定消費税額(国税)が48万円以下の場合は、中間申告納付は不要です。

法人の中間申告納付の概要は知っておきましょう

法人の中間申告納付は多くの場合、予定申告(前事業年度の税額に基づく方法)によります。または納付のみを行い予定申告書を提出しないみなし申告の場合も少なくありません。しかし、業績の悪化で中間納付額の資金準備が難しい場合などは仮決算に基づく中間申告も考慮に入れなければならなくなります。このため今回解説した程度の知識は理解しておくとよいでしょう。