いちご株式会社
不動産事業とクリーンエネルギー事業で、日本を世界一豊かに!社員の多様性を認める「日本一チャンス溢れる会社」
米国公認会計士資格で仕事の幅が広がった。今、企業価値のさらなる向上が自分の使命
いちご株式会社
上席執行役員 財務本部長
米国公認会計士試験合格者
坂松 孝紀
資格は新しい仕事に関わる機会をつくる
— これまでのキャリアについて教えてください。
大学卒業後に就職したのはマンションデベロッパーです。就職活動時は経営企画もしくは経理財務系の仕事を希望していたのですが、「まずは不動産業界の現場を知る必要がある」ということで営業に配属されました。そこで業界のいろはを学んだ後、関連会社の経理職につきました。
高校生の頃から経済小説が好きでした。企業が舞台になる物語の節々に数字の話、経営の話が出てきて、経理や財務の仕事に自然と興味を持ったのです。大学生の頃は、山一證券や北海道拓殖銀行が倒産した不況の真っただ中。新聞や経済誌を読んでも暗い話ばかりでしたね。でも、当時の会計や財務に携わる方々が会計や税務、財務の技術を駆使して企業再建の道筋を探る姿を見て、これから世の中がダイナミックに変化していくと感じたことを覚えています。いずれ自分もそんな仕事に携わってみたいと。
いちご株式会社に転職したのは2006年4月です。私にとって、2001年に日本で初めての「上場リート」が誕生したことは大きな出来事でした。金融と不動産が結びついて新しい商品が生まれる、これは伸びしろのあるビジネスだと直感したのです。入社してすぐ配属されたファンディングマネジメント部では、証券子会社としてアセット証券株式会社(現いちご地所株式会社)を立ち上げる準備と、その後は、証券会社の総務部でバックオフィス全般を見ることを予定していましたが、いちご本体の経理に人手が不足していたことから、そちらに回ることになりました。
— 2012年に米国公認会計士試験に合格しています。なぜ資格取得を目指そうと?
資格が自分の能力を客観的に測るツールになると思ったのです。それまで実務を自分なりに頑張ってきたのですが、自分の力がどのぐらいのレベルにあるのかわかりませんでした。また、資格は周囲に対しても“一定以上の力量がある”ことの証明にもなります。忙しく仕事をこなしながらの試験勉強はなかなか大変でしたが、なんとか合格することができました。
— 米国公認会計士試験に合格したことで、どんな影響がありましたか?
任せてもらえる仕事の質が高くなったと思います。当社は新規事業やM&Aが活発な会社ですし、過去の延長線上にはない業務が頻繁に生まれます。そういう時に必要なのは、ビジネスの総合力です。経理担当であっても、会計面だけでなく、開示やシステム対応、オペレーション構築、内部統制、税務などの多面的な知識が求められる。その点、資格を持っていると「ざっくりとはわかるよね」と期待されて、新しいプロジェクトのメンバーに加わることが増えました。実際、実務経験のみだと、新たな取り組みの際の勘所は、狭くなりがちだと思います。
もちろん、資格試験で勉強したことと現実の業務では難易度がまるで違いますが、少なくとも新しい仕事をする“機会をつくる”うえで、資格合格は大きな価値がありました。資格で機会をつくり、得た実務で実力を磨くというサイクルです。特に当社のように変化が激しい会社、これから伸びていく会社では、米国公認会計士は非常に役に立つ資格だと思います。
— これまでのキャリアを振り返って、自分が成長したと思えるのはどんな部分ですか?
市場がナスダックから、ジャスダック、東証一部へと、会社が移っていく様をすべて見ることができたのは大きいと思います。会社の規模や事業、環境が大きく変化し、その過程によって、経営課題やステークホルダーからの期待も変化します。会社が大きく変化していく過程での経営のかじ取りや、そのプロセスを間近で見ることをできたことは大きな学びです。例えば、日常的な資料作り、決算説明や、上場市場の変更の過程においては、多くの資料を作成しますが、事業を俯瞰して見る視点、経営者のような広い視野の必要性を痛感しました。それは普段、目の前の数字の処理に追われていると体験できないもの。以来、改めて一段上の視座で自分の仕事を考えるようになりました。
ESGに関連する情報も積極的に発信したい
— 現在の業務内容を教えてください。
今は財務本部長として、5つの部署を統括する立場です。お金を動かし、資金繰りを管理する出納サービス部、成長投資資金や運転資金を調達する財務部、会計税務、予算まわりを見る企画経理部、子会社や投資先を管理する事業推進部、それからIR推進部です。つまるところ、企業価値をさらに高めることが私の使命だと思っています。経理にしても、四半期決算、本決算業務をこなし税金を計算するだけでも大変な労力と知識が求められますが、それだけでは終わらず、グループ全体の事業を会計や税務面から側面支援することや、継続的なオペレーション変革によるグループ全体の生産性向上に努めています。特に事業面での会計や税務面の施策は、その事業の成果にも大きな影響を与えることが多く、重要な取り組みです。
この仕事のやりがいは、会社の目標は常に高いところにあるため、日々新しい仕事が生まれ、また状況が変化するので一つのポジションに“安住できない”こと。当然、大変ではありますが、逆にそこが楽しさでもあります。ただ私個人が頑張って会社に貢献しようとするだけでは足りないな、というのが最近の心境です。数年後、数十年後の会社の中心として活躍できる人材を育てられているか、次の世代のための“種まき”ができているか。私が学ばせていただいたことを、次の世代に繋げていけるか、そこをしっかりと考えながら日々の業務に臨んでいます。
— これからの目標を教えてください。
今世界的に注目されているESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みは、私にとっても大事な仕事だと思っています。私が担当している財務本部のなかにIR推進部があります。会社経営情報を発信し、市場関係者との対話の中から期待や関心事を捉えて、企業価値の向上を図るそんな役割です。
当社は企業の存在意義は社会貢献であると考えており、これまでもESGへの取り組みには積極的でした。例えば、現存する建物を“壊す”のではなく“生かす”当社の「心築(しんちく)」事業は、現存ストックを最有効活用し、環境負荷を低く抑える仕組みでもあります。クリーンエネルギー事業は、国内エネルギー⾃給率への貢献によりサステナブルな社会を形成するうえで、⼤変有意義な事業であり、アセットマネジメント事業では、いちごの心築技術を活用し個人の皆様でも安心できる投資商品を提供しております。
不動産は、人々の暮らしに密接に関わっており、人々の生活に欠かせない社会インフラです。私たちはサステナブルインフラ企業として、不動産をエネルギーや観光、スポーツ、エンターテインメント等の様々なコンテンツと融合させることで、日本の将来に豊かさをもたらすことを目指しています。
今後ますます仕事の範囲も広がり、変化が求められる中、このように地球社会に貢献する当社の姿勢や成果を、今後はさらに世の中にアピールしていきたいです。
— これから活躍する若き会計士にメッセージをお願いします。
会計の仕事の面白さは、会社によってまったく異なると思っています。例えば、会社が大きすぎると業務範囲が限定されるきらいがありますし、会社が安定しすぎていると業務が硬直化し変化が少なくなります。その点当社は、連結子会社が約50社ありますし、不動産事業一つとっても事業内容が幅広い。新規事業も次々と生まれていますから、変化には事欠きません。毎月のように新たな取り組みが生まれてきます。当然、会計や税務の論点も多く発生します。積極的に学ぼうと思えば、本当にたくさんのことが学べる環境が整っています。実務からだけでなく、自己学習などの努力も当然求められますが、その中で大きな成長が期待できます。
加えて当社は「日本一チャンス溢れる会社」を標榜しています。会社によっては「この仕事を任せるのはまだ早い」と、従業員の挑戦意欲をつぶすようなところもあるかもしれません。でも当社では「まだ早い」は極力使いません。私も上長として、部下には「やりたいなら、一度やってみなさい」といえるよう心がけています。いずれにせよやる気がある方にとっては、チャンスに溢れた会社であることは間違いないと思います。
PROFILE
坂松 孝紀Takanori Sakamatsu
いちご株式会社 / 上席執行役員 財務本部長 /米国公認会計士試験合格者
- 1976年
- 神奈川県生まれ
- 1999年3月
- 法政大学経済学部卒業
- 1999年4月
- マンションデベロッパー企業入社
- 2006年4月
- いちご株式会社入社
- 2012年11月
- 米国公認会計士試験合格
- 2013年3月
- いちご株式会社 財務本部経理部長
- 2018年3月
- いちご株式会社 執行役財務本部副本部長
- 2020年3月
- いちご株式会社 上席執行役財務本部長
部下の声
試験合格を目指して努力する様子に刺激を受けた
私は、経理未経験なのに突然「税理士になりたい!」と宣言して、経理に異動させてもらった人間です。いちごは「日本一チャンス溢れる会社」を掲げていますが、私もチャンスを与えてもらった一人というわけです。
ちょうど同じ頃、米国公認会計士を目指して勉強していたのが坂松です。私はその様子を間近で見ていました。坂松は、目標に向かって突き進んでいくパワーが本当にすごい。ランチの時間を削り勉強し、夕食の時間を削り勉強し、残業して帰宅した後も勉強していた。私も頑張って税理士になる勉強をしているつもりでしたが、坂松には「自分はまだまだ努力が足りない」と思い知らされました。私が税理士試験に合格できたのは、そんな坂松の頑張りに引っ張り上げてもらったからかもしれません。会計や税務に関する専門資格取得への挑戦については、会社も推奨しており、勉強中は会社からのバックアップがあったことも大きかったです。
坂松も私も、自分から「やりたい!」と手を挙げて、そこで機会を与えてもらったという点で共通しています。月並みな言い方ですが、いちごは、やる気と本気があれば思い切り活躍できる会社だと思います。
いちご株式会社/財務本部 企画経理部長/古川 直子
人事の声
事業貢献意欲の高い、当社の模範的リーダー像のひとり
坂松は、飄々とした雰囲気を持ちながら、非常に“粘り強い”ですね。物事をよく調べる姿勢にそれが表れていると思います。部門のトップとして常に知識をアップデートし、経営層に情報を提供している。新規事業を自ら提案したことも多々あったと思います。部署のメンバーは、上司である彼から良い刺激を受けていることでしょう。
いちごは、「いちごの人財ポリシー」として、プロフェッショナル、ベンチャー・スピリット&ダイバーシティ、チームワークという3つを行動指針に定めています。すなわち、自己研鑽を惜しまず、積極的な姿勢で経営に貢献し、チームワークをもってお客様に貢献する――。これを満たす人材が当社の“求める人材像”ですが、もちろん、坂松もその一人です。
いちご株式会社/取締役 常務執行役 人財本部管掌/村井 恵理