株式会社アタックス
中堅・中小企業に寄り添ったサービスの提供を通じて、熱意のある支援をクライアントと自社の発展のためにプログラミングを習得。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の時代も「社長の最良の相談相手」として日本一に!
株式会社アタックス・エッジ・コンサルティング
代表取締役 / CEO 公認会計士
酒井 悟史
あらゆる経営課題に応えられるのが公認会計士の強み
— これまでのキャリアについて教えてください。
父が中小企業を経営しており、公認会計士、税理士の姿を間近で見ていたことが、会計士を目指すようになった原体験です。公認会計士試験合格後は、「会計士として中堅・中小企業を支えたい」「IPO支援を得意とする有限責任監査法人トーマツのトータルサービス部で働きたい」という念願が叶い配属された後は、監査6割、IPOを含めたコンサルティング支援4割の比率で業務にあたりました。ヒト・モノ・カネのいずれのリソースも十分とはいえない中、なんとかやりくりしている中堅・中小企業は、課題の宝庫です。だからこそ若い年次の私でもアドバイスできることが多く、それが大変さでもあり、やりがいでもありました。
転職を決めたのは30歳になる直前です。監査法人でのおおよその仕事を覚えた頃でしたし、次のステージでなにか新しいことにチャレンジするなら20代のうちに動いたほうがいいだろうと考えました。トーマツグループの中で別の仕事をする選択肢もあったと思います。しかしトーマツのクライアントより、さらに規模の小さい中堅・中小企業を支援したいと思い、トーマツを出ることにしました。アタックスに惹かれたのは、まず「社長の最良の相談相手」というモットーを掲げていたことです。グループ代表と会って話をした際も、他のファームに比べてより近い距離で中小企業を支援している――熱意の強さを感じました。
— 2014年にアタックス税理士法人に参画。どのような業務を担当されたのですか?
中堅・中小企業の税務業務に従事しました。ただ、クライアントの多くがオーナー企業であるために、事業承継や経営者自身の財産管理、相続税や贈与税のことまで、あらゆるご支援をすることに。こうした幅広いお悩みに対応できるのは、会計士の強みだと感じました。「森を見てから木を見る」という説明をよくするのですが、まず会社全体を捉えてから、リスクがどこにあるのかを探すのが会計士の仕事の流儀。クライアントの業務フロー全体を理解し、優先度をつけて事に当たるのが常でした。
強みを複数持った会計士が価値ある「オンリーワンの存在」に
— その後、アタックス・エッジ・コンサルティングの代表取締役に就任されます。
アタックス・エッジ・コンサルティングは「プログラミングができる公認会計士」しかいない会社です。なぜそのような会社をつくったのかというと、話は2014年のアタックス税理士法人入所時にさかのぼります。今でも鮮明に覚えていますが、初めて伺ったクライアントが「紙の帳簿」を使っていたのです。また、アタックス自体の業務効率化が遅れていることも目の当たりにし、ITを使った業務改善の必要性を痛感しました。
そこでまず、業務改善プロジェクトというかたちで社内の業務改善のために動き、次いで、クライアントも対象に含めたIT化支援の部署を立ち上げました。当時は「freee」や「マネーフォワード」といったクラウド会計サービスの黎明期。社内の業務改善を進めつつ、クライアントにもクラウド化を提案することで、大きなシナジーが生まれると考えたのです。クライアントからいただく会計データが整流化されれば、それをチェックする側である税理士法人の業務も確実に効率化でき、かつ精度も高くなると。
そして2016年に新部門を立ち上げ、その後設立した会社が、アタックス・エッジ・コンサルティングというわけです。クラウド会計ベンダーやSaaSベンダーと提携する際にも、また、クライアントにクラウド会計サービスの導入を勧める際にも、私が代表権をもっていたほうが話はスムーズですからね。会計の世界にもいずれIT化の波がくることは明白で、先手を打つことはアタックスグループの将来利益の確保に寄与できるはず。経営陣にそう直談判したところ、「全面的に応援する」と言ってもらえました。
— アタックス・エッジ・コンサルティングでの業務内容を教えてください。
自動監査、自動財務分析のシステムを開発し、会計事務所およびクライアントに導入する業務を行っています。しかし、ここにたどり着くまでには様々な失敗がありました。会社を立ち上げて、最初はクラウド会計サービスをクライアントに導入しようと動いたのですが、思い描いていた効果が出ませんでした。黎明期のクラウド会計サービスは機能が限られていましたし、クライアントには「クラウド会計サービスとは」という話から始めなければならなかった。結局、「クラウド会計サービスで仕事が楽になる」はずが、どんどん作業量と時間が増えていったのです。次に、RPAをクラウド会計に組み合わせようというアイデアを試しましたが、これも頓挫。自分たちで様々なロボットをつくったものの、素人には限度がありました。
そこで感じたのは、「ITを使った業務改善を本気でするなら、プログラマーが社内に必要だ」ということ。しかし、誰を雇ったらいいかわからない。ならばと、会社に予算を出してもらい、当時のメンバー全員でスクールに通い、プログラミング技術を習得することにしたのです。それまでの失敗で追い込まれていましたから、6カ月かかる内容を“気合い”を入れてなんとか2カ月で終わらせました(笑)。
プログラミングの知識を得たことは大きな収穫でしたが、スクールである講師に出会ったことも幸運でした。彼は我々が求めるスキルをほぼ習得していたので、会社の外部顧問として迎えることに。構想を前に進められる陣容がそろったことで、現在開発中のシステムの試作が始まり、某大手会計ソフトベンダーとの提携も決まるなど、一気に事業計画が固まっていきました。
一般的にシステム開発においては、課題意識を持つ人とプログラムをつくる人が分かれているので、「出来上がってみたら想定と違った」というトラブルがしばしば起こります。しかし、我々にはそれがありません。課題意識を持っている人たち自らがシステムをつくっているため、現場で本当に必要とされていて、かつ自分たちの業務を走らせるシステムをかたちにできる。アタックスグループがこれまで蓄積してきた強みはそのままに、それをさらに高度化できると確信しています。
— 若き会計士にメッセージをお願いします。
会計士の使命は、クライアントの課題解決です。ただ、より複雑な課題に対応するには、特定の分野に精通するだけに終わらず、強みを複数軸で持つべきだと思います。会計士だけでも世の中に3万人いるわけで、「監査ができる」だけでは埋もれてしまいます。しかし、税務ができて、内部統制も詳しいとなると、一気にライバルが減りますし、ITもできればますます“レア”な人材になれる。転職などの場面で自分の次のステージを考える際に、そういった新たな軸を増やせるかどうかが大事な指針になると思っています。そしてアタックスグループなら、税務もM&Aも、ITも経験できる。複数軸で強みを持てるチャンスが、多くあると思います。
PROFILE
酒井 悟史Satoshi Sakai
株式会社アタックス・エッジ・コンサルティング / 代表取締役 / CEO 公認会計士
- 1983年
- 東京都生まれ
- 2006年4月
- 慶應義塾大学経済学部卒業
- 2008年11月
- 公認会計士第二次試験合格
- 2008年12月
- 有限責任監査法人トーマツ入所
- 2012年12月
- 公認会計士登録
- 2014年1月
- アタックス税理士法人入社
- 2019年8月
- 株式会社アタックス・エッジ・コンサルティング 代表取締役就任
上司の声
「建白魔」であり「吸収魔」といえる人材
入社当時から酒井は非常に問題意識が高かったですね。自分からどんどん戦略を考え、私たち経営陣に提案し、それだけでなく自分で汗をかき、結果を出していきました。会計士がプログラムも書くという新しい世界に挑戦し、幾多の失敗もありましたが、それもすべて乗り越えてきました。実に頼もしい存在です。
作家の城山三郎氏は、日本における資本主義の父とされる渋沢栄一氏について、上司にも臆せず意見を言う「建白魔」であると評しました。しかし、ただ建白するだけでは煙たがれます。渋沢氏は同時に「吸収魔」であり、どんどん新しいことを身につけていった。だから多くの人が彼の話に耳を傾けたのです。酒井を渋沢氏と並べるつもりはありませんが(笑)、酒井が建白魔であり吸収魔であるのは確か。私も経営者として、会社を成長させるため、これからも酒井の建白を受け止めていきたいと思います。
当社は幸いにも、創業以来たくさんのクライアントに恵まれてきました。反面、そのために「現状維持」でいいというバイアスも社内では強くなっていたと思います。しかし、あらゆる組織は、現状維持のままでは衰退する運命をたどります。酒井はそこに、改革の精神、チャレンジの精神を持ち込んでくれました。今後も酒井の挑戦を楽しみにしています。
株式会社アタックス / 代表取締役 公認会計士・税理士 / 丸山 弘昭
上司の声
考えるだけで終わらず、自ら動く“行動力”を評価
私が一番評価しているのは酒井の“行動力”です。自分の頭で考えることができる人ならたくさんいます。しかし、上司を説得しながら実行に移していくパワーのある人間は、そうはいません。DX(デジタルトランスフォーメーション)に注目するのも会計士としては珍しいと思います。彼はまず、税理士法人に入って働いたことで、様々な課題に直面したわけです。4大監査法人に比べれば、当社の組織はまだまだ改善すべきところが多くあります。同時に、長い歴史を持つ会社として自らを変革することが難しくなっていました。しかし酒井は「今変えなければいけない」とITによる業務改善をするよう経営陣を説得し、納得させた。その行動力は、素晴らしいと思います。
当社が求めているのは、酒井のように“行動力”のある人、クライアントと一緒になって汗をかける人材です。私たちにとって、クライアントがどうしたいかが最優先。クライアントの夢を実現するためにどんなお手伝いができるのかを必死で考えて、行動に移すことが大切です。そのためには、クライアントにとっての「イエスマン」になってもいけません。クライアントのためを本当に思うなら、ダメなものはダメと言わなければならない場面もある。それができて初めて、当社が理想として掲げる「社長の最良の相談相手」になれるのだと思います。
株式会社アタックス / 代表取締役 公認会計士・税理士 / 林 公一