株式会社モスフードサービス
食を通じて人々を幸せに── 東証一部上場の安定的成長企業営業職から「社内専門家」への転身。ビジネスを会計の側面から支え、食を通じた人間貢献・社会貢献を目指す。
株式会社モスフードサービス
経営サポート部 経理・財務グループ
グループリーダー T.J
専門家を目指し、営業職から会計士へ
— 入社前にはどのような仕事をしていましたか?
新卒で食品メーカーに就職し、営業を担当していました。1997年の秋に山一證券や拓銀の破たんがあり、「この先何の技もない営業マンではまずい」と危機感を覚え、「手に職をつけたい」「専門家になりたい」と思うようになりました。専門家にもいろいろありますが、その中でも「企業活動に幅広く関われるものといえば会計士だ」と思ったのが、会計士を志したきっかけです。28歳で退職して勉強に専念し、試験に合格。32歳のときに朝日監査法人(現有限責任 あずさ監査法人)に入所し、約10年勤務しました。
監査法人に入所後、配属されたのはIPOを中心とした部門でした。途中で部門再編があり、IPOへの関与の度合いは徐々に減りましたが、新しい仕事にスピード感をもって対応していけることが好きだったので、その後もIPOには特別な思い入れがありました。
— 監査法人から事業会社への転職を考え始めたのはいつ頃ですか?
もともといつか転職することを前提で監査法人に入り、6~7年目くらいで転職活動を始めましたが、なかなかマッチする企業がありませんでした。IPO準備中の会社をターゲットにしていたのですが、リーマンショックの影響でIPOそのものが下火となり、案件自体が少なかったのです。その後、監査法人で担当変更があり、大きな案件の担当になったので、そちらに注力することにしました。その仕事も落ち着いた頃、転職活動を再開したのですが、やはり社風などがマッチする企業がない。「このままだといつまでたっても転職先が決まらないな」と思い、IPO準備中の会社に限らず、「食品」を扱う上場企業も検討することにしました。
もともと食品メーカーにいたので「食品」も大きなキーワードでした。その中でも最終的にモスフードサービスを選んだのは、会社のイメージの良さです。面談で接した社員の感じも良く「ここならやっていけそうだ」と直感で思いました。その直感は間違いなかったと、入社してから確信に変わりました。
会社の動きに対する興味、会計基準や法令に関する深い見識を持つ人材が必要
— モスフードサービス入社後の仕事について教えてください。
経理として入社して2年余り経た後、1年間子会社に出向。ちょうど出向先の組織再編と会計システムの変更が重なり、経理がうまく機能していなかった時期でした。それを自分自身の経験を活かし何とか立て直したというのは、楽しくもやりがいのある仕事でした。その後、部門長として本社に、現在はマネジメント中心の業務を行っています。
— 経理・財務グループについて詳しく教えてください。
現在、経理・財務グループには経理担当が8名、財務担当が4名おります。新卒で入社して店舗勤務を経験し、それから本部に戻ってさまざまな業務を経て、当グループに配属されたという社員が多いですね。いろいろなバックグラウンドを持つ社員が集まってきています。監査法人では周りは皆会計士ですので、同じ言語が通じましたが、事業会社ではそうはいきません。経理の知識も人それぞれです。それをまとめるのはやはり大変だなと感じます。
経理の仕事は、所定の数字を期限までに正しく作る。それに尽きます。期限を守ってしっかりやりきることが大切です。期末決算や四半期決算の時期は業務が集中しますが、その時期以外は比較的余裕があります。部下には休めるときにはしっかり休んでもらいメリハリのある働き方をしてもらっています。
経理には「会社の全ての情報が入ってくる」という特徴もあります。その気になれば会社全体のことが分かる。そのような意識がないと、経理の仕事は断片的でつまらない作業になってしまいます。ですので、部下には「会社全体の動きをチェックし、そこに自分たちが関わっているという意識を持つように」とアドバイスしています。私のところに入ってくる情報はすべて部下に共有し「会社の中でこういう動きがあるから、このような会計処理や伝票が出てくるのだ」というのを理解してもらうようにしています。
— 「転職して良かった」と思うことはありますか?
基本的に皆、人当たりがいいですね。外食産業なので、新卒社員は店舗に入って接客について鍛えられています。接客経験だけでなく、これまで培われ、脈々と受け継がれてきているモスフードサービスならではの社風もあると思います。経営理念である「人間貢献・社会貢献」という考え方がブレておらず、皆いい人で、温かく接してくれるのが、この会社のいいところだと思っています。
— これからやってみたいことがあれば教えてください。
経理は地道な作業なので新しいことをするのはなかなか難しいですが、業務改善や仕組みづくりなどルーティン業務以外の改善を計画中です。マネジメントでいえば、今の部門を「上司である自分がいなくても、うまく回るような組織」にするのが理想。責任だけは取る、何かトラブルがあったときに矢面に立つ、ということだけをするくらいの上司でいたいです。そのくらい、メンバーの力を高めたいという意味です。そのためには、まずはチームメンバーの意識や意欲を向上させることが必要です。部下が自分で考えて動けるように各人の専門性を高めることと、アイデアを出してもらうために必要な情報を与えること。作業レベルで終わらせるのではなく自分で考えて動ける人を育てることが私自身の大きな課題です。
— 転職を考えている会計士にメッセージをお願いします。
事業会社に転職すれば、監査として数字を見る側から実際に作る側になります。しかし、作る側の経験がなくても仕訳入力や決算など経理実務はできますので、そこは自信を持っていいと思います。ただ、監査する側は基本的には会社の数字に対して責任を持ちません。事業会社に入れば数字に責任が生じますので、そこが監査と異なる点です。会計士は、資格試験に合格するために、まんべんなく勉強してきていますし、試験日に照準を定めて「この日までにこれを勉強する」と計画を立て、それにそって勉強を進めてきています。そのようなセルフマネジメント能力も、事業会社の経理で応用できるでしょう。
経理は「社内専門家」。専門性が求められる職種ですので、勉強好きな人と一緒に仕事したいです。会計処理は会計基準や法令に基づく作業ですから、ただエクセルシートを埋めるのではなく「なぜこの計算式なのか」までさかのぼり、会計基準や法令を調べて理解できること、自分から動いて本質を捉えられることも大切です。また、会社のビジネスに対する興味も欠かせません。「会社全体がこういう動きをしているから会計処理にも表れているのだ」ということが理解できないと正しい処理をするのは難しいものです。会社の動きが分かっていれば、その分仕事も楽しくなるのではないかと思います。
PROFILE
T.J
株式会社モスフードサービス / 経営サポート部 経理・財務グループ / グループリーダー
- 1993年4月
- 片岡物産株式会社入社
- 2001年10月
- 公認会計士第二次試験合格
- 2001年10月
- 朝日監査法人(現 有限責任 あずさ監査法人)入所
- 2012年7月
- 株式会社モスフードサービスに入社
上司の声
メンバーの自主性を尊重したマネジメントで組織をけん引
多くの会計士の中から彼を選んだのは、人間的な魅力を感じたからです。能力を存分に発揮し、経理という組織を引っ張ってくれています。メリハリのある仕事の進め方によってメンバーの残業時間が減り、彼らの働き方も劇的に変わりました。会計に関する専門性を持ち、さまざまな相談に的確なアドバイスができる点も信頼できると感じます。人材育成の面では、手取り足取り面倒を見るというよりは、自主性を尊重したアプローチで指導に当たっていただいています。
また、部内で勉強会を頻繁に開催しており、それを部門外にも積極的に広めようとしているのも評価したいですね。もちろん学習も大切ですが、参加者がお互いを深く知るという点でも勉強会は大切な場です。会計の知識だけでなく物流をはじめ他部署の事業を学んでいるのもいいことだと思います。自分たちの視点が上がり、今どのようなことが課題になっているのかも理解できるからです。当社では、創業者の言葉である「どうせ仕事をするなら、感謝される仕事をしよう。」を大切にしています。自分の仕事がどれだけ人から感謝されるか。そこに共感していただき、具体的な行動に移せる方を求めています。
株式会社モスフードサービス 執行役員 経営サポート部長 T.T
人事の声
採用の決め手は「自発的に考え、自分で課題を設定し、それを解決できる人」
中途採用では「自発的に考え、自分で課題を設定し、それを解決できる人」を求めています。そのほかにも、私どもは「明元素」と呼んでいますが「明るく」「元気で」「素直に」仕事に取り組める方と一緒に働きたいと考えています。新卒採用・中途採用に関わらずこの3つの要素は創業当時から大切にしております。この3つの要素があればお客さまや社会に喜んでいただけるような仕事ができると考えているからです。当社の社風として挙げられる「人当たりの良さ」にもつながっているのではないかと思っております。
中途採用で入社してくださった方々には、できるだけ早く会社に馴染み、活躍していただけるよう、人事としても全面的にバックアップしております。1カ月、3カ月、半年、1年……と必要に応じて定期的に面談を行い「困っていることはないか」「自分の力を発揮できる環境にあるか」などを細かく聞き、フィードバックします。また、さまざまな社員との食事会をセッティングし、できるだけ早く横のつながりを作っていただき社員同士が仲良くなれるようにしています。このように人事がしっかりフォローしますので、安心して入社いただきたいと思っております。
株式会社モスフードサービス 人材開発部 人事グループ チーフリーダー M.M