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Accountant's magazine vol.18

-アカウンタンツマガジン-
2013年06月01日発行

会計プロフェッションによるコラム「Accountant's Opinion」

第18回「私の経理・財務スタンスとは異なるが、外資でもまれたCFOの視点に納得」

経済・金融・経営評論家/前金融監督庁(現金融庁)
顧問金児 昭

前号では自著の紹介をさせていただいたが、再び私の印象に残るCFOを取り上げてみたい。6人目にご登場願うのは、住友スリーエム株式会社・取締役(財務・人事・情報システム・総務担当)の昆政彦氏だ。

昆氏の略歴を記しておこう。早稲田大学商学部卒業後、日本の企業に入社、数年後にGE(ゼネラル・エレクトリック)社に移る。GE横河メディカルシステム経理本部長(CFO)、ファーストリテイリング執行役員、GEキャピタルリーシング執行役員最高財務責任者などを歴任した後、2006年12月に住友スリーエムに入社、08年から現職を務めている。

昆氏はシカゴ大学経営大学院(MBA)を修了するなど、大変な勉強家だ。私が初めてお会いしたのは5年ほど前、「早稲田の博士課程を取りたいので、論文審査の委員に加わってほしい」と、花堂靖仁・早大教授と見えた時だった。実務家サイドの人間が必要ということなので、私は名ばかりの委員をお受けした。

その論文では、具体的事例として自らが在籍したGE、3M、それにパナソニックを取り上げた。私が紹介した、当時パナソニックの副社長だった川上徹也氏に何度もお会いし、熱心に話を聞いていた。そんな勉強を重ね3年で書き上げた博士論文は理論的にもしっかりした中身で、『効果的な企業会計システムの研究―GE、パナソニック、3Mの事例』(中央経済社)という1冊の本になったほどだ。

私はその後、昆氏に依頼されて、彼の会社で話をさせてもらったことがある。その場では、「会社にとっては1円の利益がすべて。経理担当は営業が稼いできたお金を、1円でも無駄にしてはいけない」という、例によって持論を述べた。後日、『週刊経営財務』(税務研究会)の対談でお会いした際、「あの時の金児さんのメッセージが、社内の会話にも出てくるようになりました」という言葉を頂戴したのは、嬉しい限りだった。

米国3Mの子会社である同社は、経理・財務部門の組織も、一般的な日本企業のそれとは異なる。例えば同社の組織は、日本の会社でいう経理部、財務部の役割を担うチームと、ビジネス・カウンセルといって事業部門と一緒になって業績の最大化を考える、アドバイザー的な役割を持つチームの2本柱から成っているのだ。

対談で、「組織に求められる人材は?」と水を向けると、「一番は、ビジネス・アキュメンです」という答えが返ってきた。「アキュメン」とは洞察力。平たくいえば、「経理担当にも現場のビジネス感覚が求められる」ということだ。

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Profile

経済・金融・経営評論家/前金融監督庁(現金融庁) 顧問 金児 昭

経済・金融・経営評論家/前金融監督庁(現金融庁)顧問金児 昭

1936年生まれ。東京大学農学部卒業後、信越化学工業に入社。以来38年間、経理・財務部門の実務一筋。前金融監督庁(現金融庁)顧問や公認会計士試験委員などを歴任。現・日本CFO(経理・財務責任者)協会最高顧問。著書は2013年5月現在で、共著・編著・監修を含めて143冊。社交ダンス教師の資格も持つ。

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